伊藤真『続ける力:仕事・勉強で成功する王道』(幻冬舎新書 2008)を読む。
法律の資格や公務員試験専門の受験塾である伊藤塾を主宰する著者が、勉強を「続ける」ことの意義や方法論について語る。
前半は、受験でよく言われるような暗記の仕方や「全体から部分へ」といった勉強の進め方など、大方大学受験雑誌に書いてあるような内容が多かった。
その中で、モチベーションの維持という内容が面白かった。人間誰しもダイエットや新しい勉強などを始める時がモチベーションの最高潮であり、どんなに頑張っても、その時点から例外なくモチベーションは下がり続けて行くのである。伊藤氏は次のように述べる。
モチベーションの維持とは、正確には、「モチベーションを上げること」というより、「モチベーショの下げ幅をできるだけ小さくとどめること」といえます。
そして、モチベーションの下げ幅を小さくするために、「ゲーム化」や「ちょっと難しいハードル設定」「リセット」や上手なスランプとの付き合い方を指南している。
また、「合格も不合格も等価値」という言葉も心に響いた。
後半は、自らの事務所の運営や自らの憲法観、日本国憲法の定める「個人の尊重」「個人の尊厳」といった点まで話が広がっていく。伊藤真氏の時流にぶれない考え方と生き方がよく理解できた。