先週、成人映画専門の上野オークラ劇場で、3本立てのうち、関根和美監督・脚本『喪服未亡人 四十九日の情事』(2013 OP映画)、池島ゆたか監督『性愛婦人 淫夢にまみれて』(2010 OP映画)の2本を観た。
両脇に荷物を置いてガードを固めたので、「妨害」も近づいて来ず、ゆっくりと鑑賞することができた。
『性愛〜』は、ピンク映画界の巨匠として知られる池島監督がメガホンをとっており、2010年に第23回ピンク映画大賞を受賞している。妻が精神的におかしくなってしまったと悩み続けている元高校で地学を教えていた夫が主人公なのだが、実が精神的病に冒されていたのは夫の方であり、歪んだ夫婦愛や不倫と性愛との関係が上手く表現されている。
『喪服未亡人』は途中寝てしまったのだが、いかにもピンク映画的な女優の演技が興味深かった。
意外にもカップルでくる客も多く、饐えたような匂いが充満した映画館という昔のイメージはなくなっていた。他の人とエロスを共有するという体験は、性欲を持った自分自身の肯定にも繋がっていくので、ネット全盛の今、見直されていいものの一つであろう。