田中宇『タリバン』(光文社新書 2001)を読む。
昨夜観た映画『ローン・サバイバー』でのアフガニスタン紛争を理解したいと思い手に取ってみた。
日本人には分かりにくい急進的なイスラム原理主義を、明治維新での攘夷運動との類似に触れながら解説を加えるなど、ムガル帝国のインド支配やオスマントルコ崩壊後のイギリス外交など世界史に遡って、アフガニスタンを巡る政治や外交について分かりやすく説明されている。特に、ソ連侵攻後から現在に至るまでの隣国パキスタンとの関係——難民キャンプの実態や武器や薬物の密輸の現実——がよくまとめられている。
昨日の映画でも、タリバン側の兵士が地上から肩に掛けたロケットランチャーで空中を飛ぶヘリコプターを撃ち落とすシーンがあったが、米国産の強力な武器で逆に米国の兵士が追い詰められていく現実とその歴史的背景が理解できた。アフガニスタン周辺の国や地形、地理的環境など、地政学的観点から説明されており、地図片手に勉強になる一冊であった。
ちょっと眠いためか、長ったらしく意味の取りにくい文章になってしまいました。。。