日別アーカイブ: 2014年3月8日

『南極大陸単独横断行』

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大場満郎『南極大陸単独横断行』(講談社 2001)を読む。
冒険家という肩書きを持つ著者が、1999年に挑戦した南極大陸単独横断の実施までの苦労や、南極の驚異、極限の自然との格闘、そして、装備や支援の人たちとの交流について奔放に語っている。
ブリザートやホワイトアウトなど、言葉自体は知っていても、実感として理解しにくい気象現象について、肌感覚で理解することができた。また、南極大陸が豪州大陸の1.5倍も大きいことや、4000メートル級の山から吹き下ろされ、最大瞬間風速が300メートルの風ともなるカタバ風や、その風の影響で作られるサスツルギ(風紋)に対する恨み辛みが、強い口調で語られている

特に、衛星携帯電話により、東京都で地下鉄に乗り込む支援者と話をしたり、極寒の吹雪の中に閉じ込められながら、行程が遅れた分の資金繰りについて、電話で相談したりと、空と雪しかない南極を冒険しながらもマネージメントに追われる現代社会との対比が面白かった。

『ドラえもん 新・のび太の大魔境 』

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息子二人を連れて、春日部イオンで、藤子・F・不二雄原作、八鍬新之介監督『ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』(2014 東宝)を観た。
小学校の時以来、30年ぶりに観た。当時は、アマゾンの奥地にある遺跡に近づく冒険ドラマとして鑑賞していた。しかし、やはり時代であろうか、今作では前人未到の大魔境にアプローチして行く冒険の不安や期待よりも、友情や仲間といった人間ドラマの方に重きがおかれていた。
今日が公開初日であったので、子どもたちがたくさん来ており、久しぶりに映画館で笑いの声を聞いた気がする。途中うとうとしてしまったが、真ん中の子は一睡もせずにしかめっ面で観ており、下の子はぐっすり夢の魔境を彷徨っていた。
物語の最後、どこでもドアでいつもの広場に帰ってきて、のび太くんの「僕たち、大人になっても、こんな冒険できるかな?」というつぶやきが印象的であった。