月別アーカイブ: 2014年2月

『ニライカナイからの手紙』

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地上波で放映された、熊澤尚人監督・脚本、蒼井優主演『ニライカナイからの手紙』(2005 IMJエンタテインメント)を観た。
沖縄県の南西沖にある八重山列島に属する、石垣島と西表島に挟まれた竹富島が舞台となっている。
7歳の時に竹富島から一人で東京へ旅立ってしまった母から毎年誕生日に手紙が届き続ける。二十歳の誕生日に真相を話すという手紙を胸に、夢を追い続ける女性を蒼井優さんが演じている。後半は少々展開がスローテンポになったが、涙腺が少し潤んでしまった。
異国情緒溢れる竹富島と世知辛い東京との距離感と、数千キロの距離を超えて瞬時につながる携帯電話と、そして、十数年の時間を超えて思いが届く手紙の3つの要素が絶妙に絡み合う良い映画であった。できればCMに邪魔されることなく映画館で観たかった映画であった。

本日の夕刊から。

本日の東京新聞夕刊に、東京都内の複数の図書館で「アンネの日記」のページが破られる被害が相次いでいるとの記事が載っていた。日本図書館協会関係者によると、被害は200冊を超え、ナチスの強制収容所アウシュビッツに関連する複数の書籍も手で一気に破った跡があったそうだ。日本で「アンネの日記」を破る思想犯はイメージし難く、おそらくはファナティックな個人の犯罪なのであろう。
また、ユダヤ人の少女アンネ・フランクが綴った「アンネの日記」が、ユネスコが認定する「世界記憶遺産」に登録されているという事実を初めて知った。
「自然」「文化」に加え、「記憶」まであったとは。

また、タイミングを合わせたかのように、海外面にアウシュビッツの元看守3人がドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州の捜査当局に拘束されたとの記事が載っていた。3人はそれぞれ、88、92、94歳で、虐殺を幇助した疑いが持たれている。また家宅捜索で、ナチスの親衛隊(SS)だったことを示す書類も押収されている。
ナチス親衛隊の残党が生き残っているなんて言うのは、一昔前の映画や小説のような話である。太平洋戦争時の残留日本兵のように、現代という時代に「歴史」がさまよいこんできたような感覚である。

同じ海外面に、オバマ米大統領がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世とホワイトハウスで会談するとの記事が載っていた。国家安全保障会議(NSC)は声明で「チベットで続く緊張や悪化する人権状況を懸念している」と指摘し、中国における宗教の自由や人権の保障の重要性に言及している。一方、中国はダライ・ラマをチベット独立派と見なしており、ダライ・ラマの訪問を外国が受けれたり、公的立場の人物が会談したりすることに強く反対している。
記事を読みながら、チベットを出汁にした米国と中国の醜い覇権争いにすぎないとしか思えなかった。米国が「人権」「自由」「民主主義」の錦の御旗を振りかざして進出してくる地域において、「憎悪」と「紛争」と「貧困」がはっきりと形を表してくるのである。米国こそが世界紛争の教唆犯だという事実をしっかりと見定めいこう。

「東京朝鮮高校生の裁判を支援する会」加入の呼びかけ

メーリングリストより

<加入のよびかけ>
~朝鮮高校生への差別を許してはならない~
 日本は教育に対する公費支出が少ないことで有名で、OECD31か国中の最下位です。2010年4月に始まった高校無償化制度は、その改善に資するもので、各種学校である外国人学校もその対象とされ、すでに39校が指定されました。しかし、朝鮮高校10校のみ先送りが続き、安倍内閣が登場すると、2013年2月、最終的に朝鮮高校が除外されました。
 下村文科大臣は、「拉致問題に進展がないこと、朝鮮総連との密接な関係にあり、教育内容、人事、財政にその影響が及んでいること」をその理由としました。ちょっと首をかしげたくなります。
 国連社会権規約委員会での日本報告審査でも、朝鮮高校除外が取り上げられ、日本政府代表は、下村大臣と同じ理由をあげて説明につとめました。2013年5月に公表された審査後の「総括所見」では、朝鮮高校除外は差別にあたり、朝鮮高校生にも就学支援金制度が適用されるよう要求する、と勧告されました。日本政府の弁明は、国連ではまったく通用しなかったのです。
 「朝鮮学校は、子どもたちに自分が誰であるかを教え、この地で朝鮮人として生きていく方法を教える唯一の学校です」(韓国・金明俊監督のメッセージ)。「生徒たちを政治的な人質として利用すれば、日本における朝鮮人差別をあおるだけです」(ジャパンタイムス社説)。ヘイトスピーチと朝鮮学校差別とが重なって見えるのです。問われているのは、日本の中で生きている子どもたちを等しく処遇できない、日本社会の姿勢なのです。
朝鮮高校生への理不尽な差別を撤廃するには、いまや日本の司法に訴えるほかありません。すでに、大阪、愛知、広島、福岡でも始まっています。法廷の場に立つ決意をした東京朝高生を支えきることが日本の未来を切り拓くことと信じ、ここに力強い支援を広く呼びかけます。どうぞ、お力添えを!

2014年1月27日

共同代表
阿部浩己(神奈川大学教授)
坂元ひろ子(一橋大学教授)
田中宏(外国人学校ネット代表)
長谷川和男(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会代表)

<会員募集要項>
東京朝鮮高校生の裁判を支援する会では、個人・団体の会員を募集しています。個人会員の名前等は公表しません。団体会員については「賛同団体」として公表させていただきます。会員になって裁判を支えてくださる方は、以下の連絡先まで

1、お名前・団体名
2、連絡先(住所とメールアドレス) の2点をお知らせください。

・会費について
年間会費は、個人・団体ともに1口1000円。可能ならば複数口お願いいたします。会計年度は1月~12月です。下記のゆうちょ銀行振替口座までお振り込みください。

00130-7-708271
口座名:朝高生裁判を支援する会・東京
ゆうちょ銀行以外から振込む場合は
〇一九店 当座 0708271

・ニュースついて
会員にはニュースを送付します。送付の方法は、原則としてEメールとなります。メールアドレスをお持ちでない方には郵送します。ご不明の点は、下記の連絡先までお問い合わせください。

*チラシはこちらからダウンロードできます。

東京朝鮮高校生の裁判を支援する会
mushokashien@yahoo.co.jp
TEL:080−3930−4971
FAX:03−3819ー0467
http://mushokashien.blog.fc2.com

『最新! スーパー戦隊 TVサイズ 主題歌集』

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先日、真ん中と下の男二人のために、『最新! スーパー戦隊 TVサイズ 主題歌集』というCDを借りてきた。少し前に終わった「キョウリュウジャー」から初代の「ゴレンジャー」までのオープニングの主題歌がテレビサイズで収録されている。子どもたちは「ゴーバスターズ」や「ゴーオンジャー」、「シンケンジャー」に大喜びで、おじさんの私は「デンジマン」や「サンバルカン」に懐かしさを禁じ得なかった。
私が戦隊に夢中だった35年前はビデオも、テレビからラインで録音できるラジカセもなかったので、考えてみれば戦隊物の音楽をじっくり聞くというのは初めての経験である。
「何でバトルフィーバーJにおかまがいるの?」「パパの時はおもちゃは何があったの?」という子どもからの質問が何ともこそばゆい。

『コクリコ坂から』

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地上波で放映された、宮崎吾朗監督、宮崎駿脚本『コクリコ坂から』(2011 東宝)を観た。
1963年、横浜を舞台にした高校生の淡い恋愛を描く。
作風なのかよく分からないが、登場人物の動きがぎこちなく、生命感が感じられず、口をパクパクして糸で操られる人形劇を見ているような印象がずっと続いた。
背景の群衆の早足の様子から、東京五輪を前にして高度経済成長を突き進んでいく日本の慌ただしい世相はよく伝わってきた。