真ん中の子と下の子を連れて、イオンシネマへ『こびと劇場3』(2013)を観に行った。
『こびとづかん』というキャラクターの絵本?図鑑?を全く見たことがなかったので、ただひたすらつまらない作品でしかなく、1時間の上映時間のうち30分ほど熟睡してしまった。下の子は行きの車の中で寝てしまい、映画が終わるまでずっと寝ていた。真ん中の子も途中で飽きてしまったようで、何度も「もう帰ろう」とせがむが、せっかくの昼寝を邪魔されたくないので、「もうすぐ終わるから」となだめ、結局最後まで見続けた。カメラワークも粗く大画面で観るには辛い作品であった。後ろに座ったいたもう一組の観客は途中で帰ってしまった。
月別アーカイブ: 2013年9月
2014年の手帳
パンフレット研究:宇都宮共和大学
宇都宮共和大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
音楽科を有する宇都宮短期大学と進学校として知られる宇都宮短期大学付属高等学校・中学校を運営する学校法人が、何を間違えたか1999年に那須塩原駅から6キロも離れたど田舎に大学を設置したことから大学の悲劇の歴史が始まる。作られた那須大学都市経済学部であるば、開学当初から全く学生が集まらず、場所が悪いと判断したのか、2006年に名称を変更し、宇都宮駅近くにキャンパスを移し、シティライフ学部として再出発している。しかし、これまた設置当初から見向きもされず、2013年度の入学生は定員100名に対し33名という始末である。そこで、理事会も策を練ったのであろうか、比較的上手くいっていた短期大学幼児幼児福祉専攻を、2011年より4年制の子ども生活学部に格上げしている。しかし取れる資格は同じで、2年制のカリキュラムをただ伸ばしただけの中身の薄い内容となっている。これまた受験生から敬遠され、収容定員300名に対し148名しか在籍してない。音楽科と人間福祉科を有する短期大学の方も大きく定員割れを起こしている。収支計算署を見ると、法人全体であるが、2011年度に5億6千万、2012年度は12億1千万の資産売却を行っている。付属の高校に2300名を越える生徒がいるので、法人全体で何とか維持しているのであろうが、大学単体の経営判断が鈍るのではないだろうか。東京大学経済学部を卒業し日本興業銀行に長く勤務していた現学長の舵取りに任せられるのだろう。
いずれにせよ、大規模な私立高校を経営する法人が安易に大学を作った失敗例として参考になるところは多いであろう。
パンフレットのシティライフ学部のページをじっくりと読んだのだが、いったい何を学ぶ学部なのか、読めば読むほど分からなくなる。在籍する学生が少ないので、当該の学生の実態に合わせて大学の方向を柔軟に変えているのであろう。経済学をベースに宇都宮という町のフィールドワークを重視しているのだが、専門科目と基礎科目の違いも明確でなく、体系化された学びの方向もない。キャリア支援も就職状況も明確に示されない。ただあるのは入学金免除や授業料減免、各種資格試験の受験料を支援などお金の話だけである。果たして今年度入学生33名のうち、日本人はどれくらいの割合いるのであろうか。およそ日本人向けの内容とは思えない。
「共和大はやりたいことになんでも取り組める環境」という言葉がこの大学をよく表している。33名しかいない入学生に対して、中高社会公民の教職課程を揃え、資格取得講座さえ設けている。
子ども生活学部の方はさすがにカリキュラムも体系だっているが、2年制短大のカリキュラムとほとんど代わり映えしない。第2外国語もあるのだが、1年間だけしか開講されていない。開学して3年目なので、まだ卒業生はいないが、短期大学時代のの就職率(平成23年度98%)を維持するのは難しいであろう。
8月1日から3月中旬まで延々とAO入試を行い、ほぼ全入の入試を繰り返すのは教職員にとっても面倒のことであろう。こういう大学を見るにつけ、安易に大学を増やし続けた文科省の責任問題とならないのであろうか。こんな大学に法人全体で6億円を越える税金が投入されているのである。マスコミで叩かれるのも時間の問題であろう。
パンフレット研究:敬愛大学
敬愛大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
1966年に千葉県稲毛市に開学した千葉敬愛経済大学を出発点とする。高校卒業者の減少が著しくなり始めた1997年に佐倉市に国際学部国際協力学科を設置し、2007年には、国際学科地域こども教育専攻を設置している。2013年現在では、両学部が稲毛に集約され、経済学科と経営学科からなる経済学部と、国際学科とこども学科からなる国際学部の2学部構成となっている。経営学、英語に加え、小学校教員養成という新興住宅地大学の典型的な展開パターンである。
国道16号沿いのいわゆる郊外の新設大学の例に漏れず、カリキュラム表は掲載されず、学ぶことに対するイメージと就職サポートがパンフレットの中心となっている。「チバイチバン」プロジェクトと名付けられたキャリア教育がページを割いて紹介され、2012年度就職内定率は91%、地元千葉県内就職率58%である。成田空港での研修も実施され、空港関連企業に就職する学生も多い。また、就職が比較的いいためか、2013年現在、定員充足率は両学部とも9割を近くとなっている。
国際学部国際学科では短期から長期にわたる豊富な海外研修プログラムが用意されている。特にフィリピン大学へのインターンシップ留学プログラムが興味深い。
パンフレット研究:横浜商科大学
横浜商科大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
パンフレット冒頭の大学の紹介の宣伝文句がそのまま大学の姿を伝えている。
本学には、巨大な貿易港であると同時に国際的な観光都市でもある「横浜」というロケーションを活かした「商学科」「貿易・観光学科」「経営情報学科」の3学科を設置しています。マーケティングや流通、会計などの基本をしっかりおさえ、貿易、観光やIT関連など高度な専門性を修得できるカリキュラムで構成されています。民間企業や研究所出身の教員を多数登用し、現場感覚を重視した実践的プログラムが充実しています。
ほぼ全入状態のFランクに位置する大学であるが、ゼミでの丁寧な動機漬けや資格取得支援、教室を越えた「まちなかキャンパス」での学びなど、入学してくる学生のレベルに合わせつつも伸ばしていこうとする大学の姿勢がよく伝わってきた。
1941年横浜市鶴見区に設立された横浜第一商業学校(現:横浜商科大学高等学校)を母体とし、1968年に2年前に開学した横浜商科短期大学を改組して、貿易、経営、会計情報、商学の4コースを設けた4年制大学が開学している。そして、6年後の1974年に商学科、貿易・観光学科、経営情報学科の3学科制に移行してから、これまで40年間一度も新しい学科やコースを設置していない。いたずらに大学院を設置したり、学部を増やしたりして教育の方向性を見失う大学が多い中、「商学教育の完成」という教育目的を貫く大学の姿勢は評価できる。
ゼミナールを売りとしており、学科紹介の最初のページが全てゼミで費やされている。教員の紹介、学びの中身、学生の姿の3つがよく分かる内容となっている。カリキュラム表もきちんと体系的に整えられて掲載されている。基礎教育も充実しており、中国語、ドイツ語、フランス語、スペイン語は全て3年次後半までの科目が設けられ、商学を支える科目も幅広く用意されている。また企業のように資格取得奨励金制度があり、大学指定の資格を取得したら5万円から10万円の給付が受けられる。おそらくは通信制高校や進路多様校の卒業生が受験勉強をせずに入ってきているのであろうが、大学の学びのシステムがきちんとしているので、きちんと学べばきちんと伸びていく大学である。
唯一の難点は、就職状況について全く触れられていないことである。「即戦力となる人材の輩出」を打ち出すからには、詳細な就職状況をパンフレットに明示して受験生や保護者の審判を仰ぐべきであろう。学生募集には苦労しているが、地元への就職実績を上げていけば、遠からず受験生は集まってくるはずである。