東京未来大学の大学案内(2014年度版)を読む。
全国で専門学校を経営する学校法人三幸学園が2007年に、足立区堀切の廃校となった中学校跡地を活用して開学した新しい大学である。当初は、こども心理専攻とこども保育・教育専攻からなるこども心理学部だけでの出発であったが、2012年に経営学と教育学、心理・コミュニケーションを幅広く学ぶモチベーション行動科学部が新設されている。
パンフレット全体が何を学ぶということよりも、どんな資格を取ってどういう職につけるか、ついたかという紹介がベースとなっている。1年次よりキャリアガイダンスやインターンシップが始まり、また、入学から卒業まで担任とは別に、キャンパスアドバイザーが付き、とにかく就職への面倒見は良い。小学校や幼稚園、保育士の免許が取れないこども心理専攻でもしっかりと就職を実現している。一方、カリキュラムの方は専門学校のような内容で、一般教養科目はおそらく大学設置基準をギリギリ上回る程度の科目しか用意されていない。また専門科目もあまり選択の余地はなく、教員の「無駄」のない「効率的」なカリキュラムとなっている。
モチベーション行動科学部は2012年度入試で定員100名のところ入学者20名という厳しいスタートとなった。2013年度入試では54名が入学しているので、人気は上昇中なのだろうか。学部設立と同時に、「一般社団法人モチベーション・マネージメント協会」なる団体を設立、東京未来大学の学生に「公認モチベーション・マネージャー」の資格を認定する仕組みをとっている。
東京未来大学よりも、東京未来大学を経営する三幸学園の方に関心を持った。沿革を見ると、設立されたのが1985年と新しいのだが、翌年からほぼ毎年全国各地に専門学校をオープンさせている。その勢いが半端でない。1986年に東京医療秘書専門学校を開校したら、毎年のように校舎を開設し、1992年に大阪リゾート&スポーツ専門学校を開校するや否や、全国9校展開させている。他にもビューティーアート専門学校が11校、こども専門学校が10校、ブライダル専門学校が5校、スイーツ&カフェ専門学校が5校、全国10地域にキャンパスを置く通信制高校まで運営している。