日別アーカイブ: 2013年8月13日

『SELF BRAND 2014』

本屋で配布している大学案内の無料広報誌『SELF BRAND 2014』(FROMPAGE 2014)を読んだ。
昨年同様、大学の広告ページのキャッチコピーや建学の言葉などを抜き書きしてみたい。

京都大学:学而不厭 There is no end to learning
東北大学:三番目に設立された帝国大学として 研究第一 門戸開放 実学尊重
明治大学:世界へー「個」を強め、世界をつなぎ、未来へー 権利自由・独立自治
名古屋大学:勇気ある知識人 世界の基幹総合大学として、各分野の先頭を走る人材を輩出。
中京大学:新国際英語学部 それは、世界につながる3専攻制。
大阪医科大学:80余年の伝統と、革新の医学教育環境。
京都産業大学:型破りな挑戦を続けて 2015年、創立50周年。
立命館大学:+R 未来を生み出す人になる。
立命館アジア太平洋大学:世界に貢献したいと願う若者が全世界から集まる大学
上智大学×南山大学:カトリックが結ぶ、半世紀の絆。
名城大学:可能性を超えろ。
愛知工業大学:四年後、君はきっともっと、強くなっている。
東京理科大学:科学に立ち止まるヒマはない。
中央大学:世界の「中央」へ。
早稲田大学:日本の早稲田から、世界のWASEDAへ
同志社大学:もっと世界へ、もっと日本へ。
首都大学東京:考えるとは
関西学院大学:世界市民を育む、学びがある。 実践型“世界市民”育成プログラムがスタート
神戸大学:真摯・自由・協同
甲南大学:キミの夢へ、ともに歩む。 With KONAN
日本女子大学:あたらしいあなたをみつける大学
一橋大学:知と業(わざ)のフロンティア
神奈川大学:横浜で学ぶ、湘南で学ぶ。
福岡教育大学:子どもたちの笑顔が、「先生」の幸せです。
北海学園大学・北海商科大学:北の大地に128年の歴史。
千歳科学技術大学:未来を創る、科学を学ぶ
岩手医科大学:医療人たる前に誠の人間たれ
東北工業大学:創造から統合へ。工学とライフデザイン学の融合で、東北工業大学は進化する
茨城大学:知的好奇心をもって挑戦しよう。
埼玉大学:日本の未来、世界の舞台へ翔こう! 「現代の教養」を身につけた、グローバル人材の育成へ
女子栄養大学:管理栄養士国家試験合格者数226名合格率97% 臨床検査技師国家試験合格者数47名 合格率98% やっぱり女子栄養大学です。
聖徳大学:保育士採用数7年連続全国1位 幼稚園教員採用数全国3位 公立小学校教員採用試験合格者数67名 公立保育士採用試験合格者数66名 管理栄養士国家試験平均合格率84.5%
青山学院大学:ともに学び、探究し、世界を切り拓く
國學院大學:もっと日本を。もっと世界へ。
駒澤大学:予習できない出逢いがある。
昭和女子大学:地域とつながり、世界に広がる。
帝京大学:一人ひとりの、「自分流」が見つかる
東京家政大学:専門職に強い 職業人養成132年
東京歯科大学:19世紀から21世紀へ、そして未来を拓く
東京農業大学:その力はこれからの「食」を牽引する。
法政大学:(大内元総長の「われらの願い」)
     一、願わくは、わが国の独立を負担するに足る自信ある独立自由な人格を作りたい。
     一、願わくは、学問を通じて世界のヒューマニティの昂揚に役立つ精神を振作したい。
     一、願わくは、空理を語らず日本人の社会生活の向上発展のために、たとえ一石一木でも必ず加えるような有用な人物を作りたい。
武蔵野美術大学:(青みがかったグラデーションの脇に)この気持ちを、かたちにする。
立教大学:流れに乗る能力よりも、流されない知力を。
鎌倉女子大学:あなたの想いを未来へつなぐ
横浜市立大学:教養を身につけ、国際性を磨く。
新潟大学:新潟から世界へ続く道がある
富山県立大学:幸せは工学が、つくる。
常葉大学:はじまり。あたらしいトコハ。
滋賀大学:湖国から世界へ 素顔で学ぶ。素直に生きる。
大阪人間科学大学:「人」を支えるという覚悟を。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、視能訓練士、保育士、幼稚園教諭、心理士、言語聴覚士になりたい方へ。
関西福祉科学大学:人の幸せを願う福祉科学を学ぼう
大和大学:君を変える。キミは変わる。
広島修道大学:世界を学ぶ。地域で生きる。
福山市立大学:知は明日を開く
久留米大学:自由と自律が“想い”を実現する。
長崎県立大学:未来の価値の創造のために人、地域、そして学問と、向き合うことから始めよう。
熊本学園大学:進め。
河合塾:キミはただ、走り出すだけでいい。 ひとつ上が、見えてくる。
九州大学:知の新世紀を拓く
福岡大学:総合大学に入るということはたくさんの才能と人生がつながるということです。
東京大学:「世界を担う知の拠点」へ

ひたすら書き連ねてきたが、高校3年生という狭い層をターゲットとしているためか、どの大学のキャッチコピーも似たり寄ったりとなる。旧帝大はどこも知識や知性を宣伝文句にしている。早稲田や同志社、埼玉大などの総合大学では「日本と世界」「地域と世界」といった文系でも理系でも使える当たり障りのない文句となっている。その他「未来を開く」「自分を変える」といった文句も高校生には届くのであろう。国家資格の合格者数を全面に打ち出す宣伝や、銀行のローンのチラシとそっくりの奨学金の充実を謳う大学も少なくない。
また、10数語の短い文なのに、句読点がしっかりと用いられていることに興味を感じた。これも大学のイメージを伝える広告会社のテクニックなのだろう。

『プロの写真はここが違う!』

橋本僐元(よしはる)『プロの写真はここが違う!』(日本実業出版社 1995)を読む。
著者の橋本氏は、アマゾン河を源流からゴムボートで下ったり、南米を四駆で縦断したり、オーストラリアを一人で一周したりして、写真を撮り続けたプロカメラマンである。そのの著者が、カメラの基礎知識に始まり、一眼レフの使い方や撮影テクニック、果ては空撮やスポンサーの意図を組んだ撮影についてまで分かりやすく論じている。入門者向けの解説書というよりは、プロを目指す大学生や専門学校生向けの心構えのような内容である。海外ロケに簡単にスポンサーがつくといった辺りはバブルならではの雰囲気を感じたが、技術よりも感性で勝負していくカメラマンの厳しさが印象的であった。

あとがきの中で、筆者はプロのカメラマンになるために実行すべき5点を挙げている。カメラマンだけでなく、全ての表現者やプロを目指す挑戦者に通じるものだったので引用してみたい。

  1. 他人の真似をせず、独創的な発想をすること
  2. 自分の信念を守り、途中であきらめないこと
  3. 作品に対するイメージを強く抱くこと
  4. 自分の得意なジャンルで努力すること
  5. 売り方について、研究を怠らないこと

『私は貝になりたい』

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1年ほど前に地上波で放映された、中居正広・仲間由紀恵主演『私は貝になりたい』(2008 東宝)を観た。
天皇の勅命に従って米兵の捕虜の銃殺刑に参加した2等兵が、戦後巣鴨プリズンで絞首刑になるという悲劇を描いた作品である。
肝心の天皇が責任を取らず、一般の市民が責任を取らされる不条理がテーマである。しかし、同じSMAPの草薙剛さんや笑福亭鶴瓶さんなどテレビの印象が強い役者が出てきたり、戦争とは違う夫婦愛が描かれたりして、肝心の戦争の無責任な怖さがボケてしまっている。
ブラウン管で顔なじみの芸能人が出ており、若者が戦争に触れるという点では及第点の作品だと思う。しかし、オリジナルの影響が強かったのか、映画自体のバランスも悪く、天皇の戦争責任については微妙に誤摩化されている点では落第点であろう。