1年ほど前に地上波で放映された、中居正広・仲間由紀恵主演『私は貝になりたい』(2008 東宝)を観た。
天皇の勅命に従って米兵の捕虜の銃殺刑に参加した2等兵が、戦後巣鴨プリズンで絞首刑になるという悲劇を描いた作品である。
肝心の天皇が責任を取らず、一般の市民が責任を取らされる不条理がテーマである。しかし、同じSMAPの草薙剛さんや笑福亭鶴瓶さんなどテレビの印象が強い役者が出てきたり、戦争とは違う夫婦愛が描かれたりして、肝心の戦争の無責任な怖さがボケてしまっている。
ブラウン管で顔なじみの芸能人が出ており、若者が戦争に触れるという点では及第点の作品だと思う。しかし、オリジナルの影響が強かったのか、映画自体のバランスも悪く、天皇の戦争責任については微妙に誤摩化されている点では落第点であろう。
『私は貝になりたい』
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