月別アーカイブ: 2013年8月

パンフレット研究:日本保健医療大学

日本保健医療大学のパンフレット(2014)を読む。
埼玉県幸手市の廃校となった小学校の校舎を改築して2010年に開学した、保健医療学部看護学科のみの単科大学である。ちょうど校舎の真ん前にある武道館に通っていたので、開学を巡った混乱をよく記憶している。
開学して4年目を迎えるのに、未だにパンフレットは開学前の青写真の域を出ていない。学長の挨拶文の1行もなく、実習先の病院もぼかした写真だけで名前はなく、在校生やサークル活動の紹介も全くない。

また、医学部や付属病院もないのに、学費はべらぼうに高く、4年間で6,980,000万円である。この数字もスーパーの安売りみたいで印象は悪い。ただし奨学金制度が充実しており、3分の2近くの学生が最大270万円の奨学金が受けられ、この奨学金も提携グループの病院に4年間勤務すると返済が全額免除される仕組みになっている。

  • 勤務地の希望は伺いますが、原則として勤務する病院等については必ずしも御要望に応えることができない場合があります。
  • いつも笑顔で愚痴不平を言わず患者さんと良好なコミュニケーションのとれる人が条件です。
  • 途中で病院を退職する場合は、残金を全額直ちに返済しなくてはならないので、それが可能な保証人が必要です

具体的な勤務地や病院名が一切記載されておらず、上記の条件をつきつけられるというのはかなり大きな負担であろう。

国家試験取得のための大学なのでカリキュラムはありきたりなものとなっている。1年生に生物、物理、化学の3科目を必修科目として課しているのはよい。ただし基礎系科目の選択科目の一つに「囲碁の文化と思考力開発」という珍妙な授業が置かれているのが気になった。これはこれで面白そうなのだが、果たして受講生がいるのであろうか。

また、底辺大学にありがちな入試概要も掲載されており、AO入試は8月の後半から10回も実施されている。また評定平均値の基準のない推薦入試が5回、さらに1科目入試の一般入試も計7回実施される。これに加えてセンター試験利用入試が4回である。さらに、願書の送付が間に合わない可能性がある時は、事前に大学事務局に連絡の上、当日試験会場に試験開始1時間前までに出願書類一式を持参すれば、その場で受験票を交付し、受験が可能であるとのこと。大学側の親切な対応とみてよいのだろうか。

唯一興味をひいたのが、大学を卒業した看護師の卒業生数の増加のグラフであった。1997年には大学卒業の看護師は1,327人しかいなかったのが、右肩上がりで上昇し、2012年には14,145人と10倍以上も増加している。

パンフレットに知っている卒業生の顔が載っているかなと思っていたが、期待はずれであった。幸手市もどえらいお荷物を抱えてしまったものである。

『紀勢本線殺人事件』

西村京太郎『紀勢本線殺人事件』(光文社 1991)を読む。
読みやすい文体で、テンポよく話が連続殺人事件が展開していくので、一気に読んでしまった。しかし、話としては出来すぎており、警部と一緒に事件を考えるような「間」がなく、印象に残るような作品ではなかった。

ここ最近、伊勢・志摩・南紀の地理に詳しくなりたいと思い、地名を含んだ旅情ミステリーを手当り次第に読んでいる。しかし、読めば読むほど、東京の出版社側の、有名な観光地の名前を並べただけの、安易な企画の思惑が見えてきてしまう。今回の作品も、タイトルに「紀勢本線」とあるが、松本清張の作品のように、時刻表の隙を狙うようなトリックやその土地に根ざした暗い背景があるわけでもない。こうした「地名+殺人事件」シリーズは、たまにはいつもの満員の通勤電車の車窓とは異なる景色を見たいと願うサラリーマンの気晴らしであって、集中して連続してよむべき本ではないのであろう。

『西行伝説殺人事件』

木谷恭介『西行伝説殺人事件』(徳間文庫 2007)を読む。
1995年4月に刊行された本で、殺人事件のきっかけの一つに阪神大震災が使われている。
西行やら阪神大震災やら国家公務員の使命感やらを盛り込み過ぎたためか、肝心の連続殺人事件の解決に向けたハラハラドキドキ感が薄かったように感じる。

トミカ博2013

今年で3回目の参加なのだが、真ん中の子が春先からまだかまだかと口にするので、クリスマスや誕生日のように、すっかり「恒例」となってしまった「トミカ博 in TOKYO ~トミカはいつもカッコいい!~」へ出かけた。
さすがにお盆明けの日曜日ということもあり、道もガラガラであった。幕張メッセの会場内も混雑しておらず、午後に入るとイベントなども待ち時間なしに楽しむことができた。
真ん中の子もミニカーを並べたり、町を作ったりといった遊びは卒業しつつあるのだが、トミカのゲームやグッズにはまだ関心が高いようだ。トミカのサーキットで遊んだり、トミカの組み立て工場やトミカ釣りに興じていた。下の子も2歳になったのだが、真ん中の子ほどトミカにハマっていない。同じ環境で育っている兄弟でも興味の矛先は異なるようだ。
トミカ博の会場のすぐ近くでは、「バトルスピリッツ」というカードゲームのイベントが開催されていた。大学生くらいの青年が大挙して押し寄せていたのだが、いったい広い会場で何をやっているのか皆目検討がつかなかった。

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『パシフィック・リム』

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久しぶりにイオンシネマ春日部に出かけ、ギレルモ・デル・トロ監督『パシフィック・リム』(2013 米)を観た。
『エヴァンゲリオン』や『マジンガーゼット』の世界をそのまま実写にしたような映画で、話の展開などすっ飛んでしまうほどのド迫力の映像に圧倒された。
ロボットと同調(ドライブ)して、地の底から襲ってくる怪獣を倒し、人類を守るという内容なのだが、日本のロボットアニメそのままの設定である。
自分の子どもの頃、そしてちょうど今の自分の子どもが「ギーン、ガシャンガシャン」と口にしながらおもちゃで遊んでいる感覚がそのまま映画のモチーフとなっている。子どもの頃に見ていたアニメ『勇者ライディーン』を思い出した。
地球や人類を守るロボットヒーローに憧れた子どもの気持ちで見ると、「すっげぇー映画だぁ」という感想を持つことは間違いない。