戦後63年ということで、長く本棚に眠っていた本を引っ張り出してきた。
ハル・ゴールド著『証言・731部隊の真相:生体実験の全貌と戦後謀略の軌跡』(廣済堂出版 1997)を読む。
タイトル通り、731部隊の歴史の闇に隠された真実を元兵士や軍医の証言などを元に、人を生きたまま解剖したり、生後3日の乳児や妊婦を実験の名目で殺したり、新人兵士に度胸をつけさせるために次々と捕虜を銃殺した事実がはっきりと書かれている。そして、その戦争責任が明らかにされないまま、戦犯の大半が旧厚生省や国立大学の医学部、ミドリ十字などの製薬会社に散っていた経緯までを明らかにしている。
また、先日ベトナム戦争での米軍のダイオキシンを主剤とした枯葉剤についての新聞記事を読んだが、その基礎研究は実は731部隊が行なっていたそうだ。戦後アメリカは、731部隊の戦犯を裁判リストから外すことをバーターとして、この研究成果を引き継いでいる。戦後日本の支配体制と米軍の思惑が一致した結果、アウシュビッツよりもヒドイ日本軍による生体実験や帝銀事件が日本の教科書から一切削除されてきた「歴史」を直視しなければならないだろう。
『証言・731部隊の真相』
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