今夜は、わざわざディズニーランド近くのイクスピアリへ、エリック・ブレス監督『バタフライ・エフェクト』(2003 米)という映画を観に行った。
自分の記憶を操ることで現在の自分の置かれている境遇を変えていくという斬新なアイデアで、ラストまで楽しむことが出来た。途中、本筋とは全く関係ない人種差別発言があるのが残念である。この差別発言が配給にも影響したのであろうか。全米公開からかなりの時間が経っての日本公開である。
『国連新時代:オリーブと牙』
外岡秀俊『国連新時代:オリーブと牙』(ちくま新書 1994)を読む。
朝日新聞の記者である著者が、湾岸戦争後の国連の内情について述べる。国連というと日本では右派も左派も「お上意識」を発揮させ、あたかも国の上に位置する国際組織だと考えてしまいがちである。つまり右派は国際政治の元締役を演じる国連で中心的な立場を担いたいと考え、左派は世界平和を目指す国連に日本の政治は規定されるべきだと考える。どちらも国連を自分たちの都合の良いように解釈し、現実性の無い机上の空論を闘わせている。
しかし現実の国連、特に安保理の正式な会議は形だけのものとなっており、5大国の秘密の電話協議などで政策の大枠が決められているという。9条をないがしろにして、利権の絡む安保理入りを目指す政府は是非国連の内情について勉強してもらいたいものだ。
『バカのための読書術』
小谷野敦『バカのための読書術』(ちくま新書 2001)を読む。
難解な思想を分かったふりをして格好つけるよりも、中学高校生レベルの教科書や参考書を用いて、歴史的な事実や認識を逐一追っていく作業が一番の学問への近道だと述べる。彼自身は、自らの博識を包み隠すことなく「啓蒙主義的教養人」を自ら自任し、先端的な思想を分かっているふりをして無知なままに生きている者たちを真っ先に批判の対象に挙げている。特に私自身も現代思想は分かっているふりで済ましていることが多いので、きちんと勉強しなければという気になった。
『日経キーワード2002版』
日経産業消費研究所編『日経キーワード2002版:重要語500語で21世紀を読む!』(日経 2000)を読む。
現在も版を重ねている就職試験用の時事ネタ本である。ほんの5年前の本であるが、情報技術の項などは隔世の感すら感じるほどだ。
『新版・現代教育要論:教職教養の教育学』
松島均・志村鏡一郎監修『新版・現代教育要論:教職教養の教育学』(日本文化科学者 1996)を半月かけて読んだ。
おそらくは大学の教職課程の教育原理の授業あたりで使われるテキストとして編集されたのであろう。教育史から教育法、教育制度、生涯教育まで丁寧に解説が加えられている。教育学の全体像を見渡すことはできないが、児童中心主義の立場で編纂されており、大学1年生が読み捨てるにはちょうどよい分量であろう。

