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『台湾』

伊藤潔『台湾:四百年の歴史と展望』(中公新書,1993)を読む。
16世紀の大航海時代から日本の植民地時代、中国との対立まで、実はあまり知られていない台湾の歴史が駆け足で紹介されている。
実はあまり知らなかったのだが、日清戦争の講和条約締結後、日本はすんなりと台湾を手に入れたと思っていた。しかし、実際は日本軍が台湾進攻を展開し、台湾全土を治めるのに約3年ほどかかっている。また、日本のポツダム宣言受諾後、四川省の重慶に逼塞していた蒋介石は、1945年の9月1日に、台湾を支配下におき、日本政府が整備した大学や工場、道路や港湾などをタダで接収している。そして早い段階で共産党との戦闘準備をいたのだ。第二次国共内戦に敗れて台湾島へ逃げ込んできたイメージがあったが、間違いであった。