本日のNHK Eテレ『チョイス@病気になったとき』で、「双極性障害(双極症)」が取り上げられた。
双極性障害は、かつては「そううつ(躁鬱)病」と呼ばれていたため、うつ病に近いパターンの神経性の病気という理解しかなかった。しかし、うつ病と双極性障害は似ているようで全く別の病気である。双極性障害とは、精神病のような心の病気と捉えられやすいが、体質による脳の神経細胞の興奮のしやすさの変異が原因の精神疾患である。100人〜500人に1人の割合で発症し、長期の入院を強いられ、再発しやすい病気ともなっている。
うつ病はストレスによる神経細胞のつながりが損傷して起こる病気である。そのため治療薬である抗うつ薬はそうした神経のダメージを回復し、シナプスでの情報伝達を円滑にする働きの薬である。しかし、双極性障害の患者の方がそうした抗うつ薬を服用すると却って症状が悪化してしまうことがある。
双極性障害にははっきりとした躁状態とうつ状態が現れる1型と、社会生活に問題のないレベルの軽そう状態とうつ状態が現れる2型に分類される。1型は周囲からも比較的判別しやすいが、2型は軽そう状態判断が難しく、うつ病と混同されがちである。そのため双極性障害と診断されるのに平均7年かかってしまう。
双極性障害は薬物療法が基本であり、まずは病気を受け入れ、生活リズムを整え、服薬を続けていくことが大事だと伝えている。

