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『北京の旅』

陳舜臣『北京の旅』(平凡社,1978)をパラパラと読む。
北京原人から春秋戦国時代の燕の首都、李自成の乱による北京攻略、現在(といっても50年前だが)の近代化した北京の様子まで、さらっと時間軸を超えていく。

北京を首都とした清朝は、満州族が漢民族を支配する強固な体制というイメージが強い。満漢併用制や辮髪の強制など、満州族の独自性を貫いたと思っていたが、本書によると、清末にはほとんどの満州族は満州語が話せなくなったそうである。皇帝自身も漢語しか話せないほど、中国に呑み込まれていったという解釈が正しいのであろう。