日別アーカイブ: 2022年11月1日

「左派ルラ氏 ブラジル大統領返り咲き」

本日の東京新聞朝刊に、南米ブラジルの大統領選挙の結果、現職右派のボルソナロ氏が破れ、元職左派のルラ氏が通算3期目の登板を決めたとの記事が掲載されていた。

記事の後半に、ルラ大統領がロシア、中国、インド、南アフリカの新興5カ国(BRICS)の関係を重視するとの内容があった。BRICSはあくまで2000年以降に経済成長した括りに過ぎないと思っていた。ウィキぺディアで調べたところ、2011年に中国でBRICS首脳会議が開催されており、今年に入ってイランとアルゼンチンが加盟を申請しているとのこと。知らなかった。この5カ国だけで人口は30億人を超える巨大なアソシエーションとなる。政治的な中立を保っているインドの動向も気になるが、注目しておきたい記事であった。

『アインシュタインが考えたこと』

佐藤文隆『アインシュタインが考えたこと』(岩波ジュニア新書 1981)を読む。
調べてみると、20年前に読んだ本だった。アインシュタインの経歴にも触れているが、タイトル通り「アインシュタインが考えたこと」に関する話なので、アインシュタイン登場以前の近代科学の流れや、アインシュタインが着想した量子力学などが簡単にまとめられている。ブラックホールの話など分かりやすかった。

『なぜ今、世界のビジネスリーダーは東洋思想を学ぶのか』

田口佳史『なぜ今、世界のビジネスリーダーは東洋思想を学ぶのか』(文響社 2018)を読む。
著者は、日芸を卒業後、映画監督で活躍中にタイ国で瀕死の重傷を負い、生死の境で「老子」に出会い、以後、中国古典思想研究に従事してきたという、変わった経歴の持ち主である。現在は「タオ・クラブ 株式会社イメージプラン」を立ち上げ、著作業、講演活動を行っている。

内容は極めて陳腐で、西洋思想型の「機械的数字論」や「結果主義」「技術・能力重視」「データ主義」「外側思考」「細分化・専門化型アプローチ」「主客分離」から、東洋思想型の「人間的生命論」や「プロセス主義」「人間性重視」「直感主義」「内側思考」「包括的アプローチ」「主客非分離」へのパラダイムシフトが大切だと繰り返し述べる。切り口こそ多々あるが、内容は全て一緒でモダン主義かポストモダン主義かという二分論である。