『なぜ今、世界のビジネスリーダーは東洋思想を学ぶのか』

田口佳史『なぜ今、世界のビジネスリーダーは東洋思想を学ぶのか』(文響社 2018)を読む。
著者は、日芸を卒業後、映画監督で活躍中にタイ国で瀕死の重傷を負い、生死の境で「老子」に出会い、以後、中国古典思想研究に従事してきたという、変わった経歴の持ち主である。現在は「タオ・クラブ 株式会社イメージプラン」を立ち上げ、著作業、講演活動を行っている。

内容は極めて陳腐で、西洋思想型の「機械的数字論」や「結果主義」「技術・能力重視」「データ主義」「外側思考」「細分化・専門化型アプローチ」「主客分離」から、東洋思想型の「人間的生命論」や「プロセス主義」「人間性重視」「直感主義」「内側思考」「包括的アプローチ」「主客非分離」へのパラダイムシフトが大切だと繰り返し述べる。切り口こそ多々あるが、内容は全て一緒でモダン主義かポストモダン主義かという二分論である。