守屋喜久夫『7つの大地震:現地レポート』(新潮社 1982)をパラパラと読む。
1978年のイラン・タバス地震に始まり、1980年のアルジェリア・エルアスナム地震、同年のイタリア南部地震、1979年のユーゴスラビア地震のほか、イタリア・フリウリ地震、ルーマニアやトルコの地震が取り上げられている。
この手の地震の本は参考文献の切り貼りですぐに飽きてしまうのだが、本書は実際に混乱している国に著者自身が入国し、ビザの取得や交通の混乱など、震災の現場まで辿り着くまでのドタバタも描かれている。著者は学生時代に日本大学を代表し箱根駅伝にも3度出場している経歴の持ち主で、仕事というよりも好奇心に突き動かされて、次から次へと地震現場を駆け回っている。
7つの大地震全てが、中東から地中海沿岸にかけての”新期造山帯≒狭まるプレート境界”で発生しており、アフリカプレートやアラビアプレートが、ユーラシアプレートやエーゲ海・アナトリアプレート、イランプレートとおしくらまんじゅう状態になっている様子に想像がおよぶ。