月別アーカイブ: 2021年11月

「中央アジア3ヵ国 タリバン政権への対応 温度差」

本日の東京新聞朝刊に、久しぶりにトルクメニスタンに関する記事が掲載されていた。トルクメニスタンは1991年に旧ソ連から独立して以来、ニヤゾフとベルディムハメドフの2人しか大統領になっていない、極めて独裁色の濃い国である。1995年に国連から「永世中立国」に認定され、隣国とも政治的関係を絶っている国である。埋蔵量世界第4位の豊富な天然ガスを有し、大規模な灌漑による綿花栽培と合わせて、着実な経済成長を実現している国でもある。地獄の門とも呼ばれる、24時間365日燃え続ける天然ガス田のダルヴァザ・ガス・クレータが有名である。授業中に動画を紹介したクラスもある。

そんなトルクメニスタンは内陸国であるため、天然ガスを輸出するにはパイプラインを敷設するしかない。しかし、北はカザフスタンやウズベキスタン、南はイラン、カスピ海を超えた西岸はアゼルバイジャンと資源国に囲まれている。そのため、どことも同盟関係を組んでいないトルクメニスタンとしては、アフガニスタン、そして人口が多いパキスタンやインドまでパイプラインを通したい思惑が強い。アフガニスタンのタリバン政権はここしばらく安泰であろう。

「北京 大気汚染深刻」

本日の東京新聞朝刊に、北京市内でPM2.5による深刻な大気汚染の模様が報じられていた。
PMとは「Particulate Matter(粒子状物質)」の頭文字をとったもので、工場や自動車、船舶、航空機などから排出されたばい煙や粉じん、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)などの大気汚染の原因となる粒子状の物質のことである。2.5とは直径2.5μm(1μm(マイクロメートル)=1mmの1000分の1)を指し、髪の毛の太さの30分の1の大きさ以下の非常に小さな粒子のことである。

昨日も書いたが、中国は無尽蔵といって良いほど石炭が産出されるので、石炭の燃焼の際に生じる有害物質が大気中で光やオゾンと反応し、PM2.5が生成される。PM2.5は、粒子の大きさが非常に小さいため、肺の奥深くにまで入り込みやすく、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系疾患や循環器系疾患などのリスクを上昇させるものである。

記事には触れられていないが、こうした大気汚染は国境などなく、隣国の平壌やソウルでも深刻な被害をもたらしている。古い工場や発電所で石炭を燃やすために、有害物質が垂れ流しとなってしまう。

「地熱発電10年で4倍」

本日の東京新聞夕刊に、日本の地熱発電所が東日本大震災以降4倍に増えたとの記事が掲載されていた。
授業の復習になるが、地熱発電は字の通り、地中の高温の熱気でタービンを回して発電する仕組みである。そして、地中に熱が発生するためには膨大な圧力が必要である。そのため地熱発電は、プレートが動く境目にあたる新期造山帯でしか稼働することができない。地熱発電の割合が多い国を挙げてみると、アイスランド(27%)、フィリピン(15%)、ニュージーランド(14%)となっている。アイスランドはギャオと呼ばれる海嶺が地表に顔を出した島であり、豊富な地熱エネルギーを有した国である。また、アルプス=ヒマラヤ造山帯にあるトルコも近年地熱発電の開発が著しい。

日本も4枚のプレートがぶつかる火山・地震大国であり、地熱発電にうってつけの場所に位置する。中学校の日本地理にも登場する、日本最大の地熱発電所である大分の八丁原発電所は、約37000戸の家庭の電力量に相当する11万kWの電力を生み出している。小規模発電所が多いとのことだが、建設コストも高いので、地道にコツコツと増設を目指したい。

ではいったい、なぜこれほど鼻息高く語るのかと言えば、実は10年ほど前に、秋田大学理工学部の通信教育で地質エネルギーに関する講座を受講したからだ。秋田大学には国産資源学部があり、石油や天然ガス、レアメタルなどの地質工学の分野では、旧帝大に見劣りしないほどの研究が行われている。
私も関心は高かったのだが、テキストがあまりに訳分からず、大きい声では言えないが、受講はしたもののレポート提出には至らず、満期除籍となってしまった。地球科学を勉強するには、最低限高校レベルの微積分の知識が必要だと反省した次第である。

来年度数Ⅲを選択する生徒は是非、地質科学の分野も将来の選択肢に入れてほしい。

『不思議の宝庫「世界遺産」』

小林克己『不思議の宝庫「世界遺産」』(成美文庫 2003)を手に取ってみた。
監修には全世界遺産の3分の1に足跡を記したという人物がの名前が明記されているが、70もの世界遺産が羅列されて、ただただ参考文献の焼き直し単調な文体が続くだけのものである。辞書的に使ったり、興味あるいくつかの項目を読むだけだったた良いが、全体を通読するのは頂けない。監修者の名前で惹きつける商法はやめてほしい。

運動会

真ん中の子と下の子の運動会に出掛けた。
小学校の運動会もかれこれ10年目である。昨年、今年とコロナで短縮となっている。
あと小学校の運動会も残すところ2年である。