宇佐美龍夫『東京地震伊地図』(新潮社 1983)をパラパラと読む。
著者は東京大学地震研究所に長らく務め、歴史地震学を専門とする。江戸時代の文献から、震源地と震度を科学的に計算し、関東地方を震源とする地震は多発しており、今後とも警戒を緩めることなく、地震災害の心得まで丁寧にまとめられた良書である。
江戸時代の初期からかなり詳細に地震の記録が残されていたという事実に驚いた。一番古い文献は818年の記録であり、マグニチュード7.9で上総・安房を除く関東各地で山崩れが発生し、圧死者が多数出たと記録されている。