「地熱発電10年で4倍」

本日の東京新聞夕刊に、日本の地熱発電所が東日本大震災以降4倍に増えたとの記事が掲載されていた。
授業の復習になるが、地熱発電は字の通り、地中の高温の熱気でタービンを回して発電する仕組みである。そして、地中に熱が発生するためには膨大な圧力が必要である。そのため地熱発電は、プレートが動く境目にあたる新期造山帯でしか稼働することができない。地熱発電の割合が多い国を挙げてみると、アイスランド(27%)、フィリピン(15%)、ニュージーランド(14%)となっている。アイスランドはギャオと呼ばれる海嶺が地表に顔を出した島であり、豊富な地熱エネルギーを有した国である。また、アルプス=ヒマラヤ造山帯にあるトルコも近年地熱発電の開発が著しい。

日本も4枚のプレートがぶつかる火山・地震大国であり、地熱発電にうってつけの場所に位置する。中学校の日本地理にも登場する、日本最大の地熱発電所である大分の八丁原発電所は、約37000戸の家庭の電力量に相当する11万kWの電力を生み出している。小規模発電所が多いとのことだが、建設コストも高いので、地道にコツコツと増設を目指したい。

ではいったい、なぜこれほど鼻息高く語るのかと言えば、実は10年ほど前に、秋田大学理工学部の通信教育で地質エネルギーに関する講座を受講したからだ。秋田大学には国産資源学部があり、石油や天然ガス、レアメタルなどの地質工学の分野では、旧帝大に見劣りしないほどの研究が行われている。
私も関心は高かったのだが、テキストがあまりに訳分からず、大きい声では言えないが、受講はしたもののレポート提出には至らず、満期除籍となってしまった。地球科学を勉強するには、最低限高校レベルの微積分の知識が必要だと反省した次第である。

来年度数Ⅲを選択する生徒は是非、地質科学の分野も将来の選択肢に入れてほしい。