「北京 大気汚染深刻」

本日の東京新聞朝刊に、北京市内でPM2.5による深刻な大気汚染の模様が報じられていた。
PMとは「Particulate Matter(粒子状物質)」の頭文字をとったもので、工場や自動車、船舶、航空機などから排出されたばい煙や粉じん、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)などの大気汚染の原因となる粒子状の物質のことである。2.5とは直径2.5μm(1μm(マイクロメートル)=1mmの1000分の1)を指し、髪の毛の太さの30分の1の大きさ以下の非常に小さな粒子のことである。

昨日も書いたが、中国は無尽蔵といって良いほど石炭が産出されるので、石炭の燃焼の際に生じる有害物質が大気中で光やオゾンと反応し、PM2.5が生成される。PM2.5は、粒子の大きさが非常に小さいため、肺の奥深くにまで入り込みやすく、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系疾患や循環器系疾患などのリスクを上昇させるものである。

記事には触れられていないが、こうした大気汚染は国境などなく、隣国の平壌やソウルでも深刻な被害をもたらしている。古い工場や発電所で石炭を燃やすために、有害物質が垂れ流しとなってしまう。