大木聖子『地球の声に耳をすませて:地震の正体を知り、命を守る』(くもん出版 2011)を読む。
東京大学地震研究所助教(当時)を務める著者が、小学校高学年向きに東日本大震災が起きた原因や津波発生の仕組み、地球の地殻内部の世界について分かりやすく語る。
つい先日も富山県西部と茨城県沖の両方でほぼ同時に発生した小規模な地震を、緊急地震速報のシステムが大地震と過大予測してしまい誤報が流れるという事故があったが、そうした誤報が生まれる理由も丁寧に説明されている。
液状化によって地面からマンホールが盛り上がったり、家が傾いたりする現象なども、洗面器と砂を用いた簡易な実験例で説明されており、一流の研究者が小学生向けに語る本というのは分かりやすいと実感した。著者自身も次のように述べている。
実験の結果は予想どおりだったり、違ったり、ときには失敗もします。新しい「どうして?」が生まれることもありました。そうしたら、新しい実験が始まります。
(中略)自分で手を動かしたり、自分の目で確かめたり、自分で考えたりすることはとても大切何ですよ。本やテレビで見るだけではなく、実際に体験すると、「どうして?」や「わくわく」があふれでてきます。それは、科学の原動力でしたね。