内田康夫『ユタが愛した探偵』(徳間書店 1999)を読む。
沖縄の巫女的な存在である「ユタ」をモチーフとしながら、沖縄の歴史や文化、基地の問題にまで踏みつつ、殺人事件も解決するという盛り沢山な内容である。殺人事件の方はやや影が薄くなってしまったが、一冊読んだだけで沖縄の地理に詳しくなった気がする。
月別アーカイブ: 2015年4月
『あたりまえのことばかり』
池田晶子『あたりまえのことばかり』(トランスビュー 2003)を数ページだけ読む。
哲学を専門とする著者のエッセー集である。
体調を崩して布団に横になって読んだせいもあるのか、筆者の言いたいことがまるで分からなかった。
『神に頼って走れ!』
高野秀行『神に頼って走れ!―自転車爆走日本南下旅日記』(集英社文庫 2008)を読む。
東京の自宅から日本最南端の波照間島までの自転車珍道中日記である。
先日読んだアフリカ旅行記と違って、今度は日本が舞台ということもあってか、一緒に地図を広げながら旅のお伴をすることができた。
自転車での危険な冒険というよりも、日本各地に住む風変わりな友人知人の紹介が、、、
うまく文章を組み立てることができない。。。
先ほど熱を測ったら37.5度あった。先週3日連続の自転車通勤の疲れが出たのであろうか。
年寄りの冷や水となってしまった。
あまり無理をしないことが大切だ。
『自転車主義革命』
渡辺千賀恵監修『自転車主義革命—自転車を活かす新しいライフスタイル』(東海教育研究所 2001)を読む。
監修者の渡辺氏は、九州東海大学工学部土木工学科で、交通と都市設計を研究している専門家である。自転車の旅や魅力だけでなく、自転車便メッセンジャーや障害者のための自転車、放置自転車問題、レンタル自転車など、都市交通やビジネスとしての自転車のあり方について様々な角度から論じられている。車優先の社会から自転車にも配慮した社会への転換には、ただ自転車好きを増やすという簡単な問題でなく、バスや電車との連携、駅周辺の整備、商店街の活性化など、社会全体の複合的な問題であることが分かった。
京都議定書策定以降、低炭素社会への移行に向けて自転車が脚光を浴びているが、自転車先進国のオランダの猿真似するだけでは不十分で、日本人自身の環境に対する意識や都市そのもののあり方といった根本的な議論が求められる。
高度経済成長期の日本のモータリゼーションの進展についての項で印象に残った一節を引用しておきたい。
「道」も「路」も訓読みでは“みち”と読む。発音は同じだが中身は異なることをご存知だろうか。「道」という漢字には、人が脇目をふらずに進むとの意味があり(例:剣道・茶道)、転じて「東海道」などと使われるようになった。いまで言うクルマの空間、車道にあたる。一方の「路」は、「足」と「各」(人)からなり、ヒト空間にあたる。1950年代までは「道」と「路」が使い分けられていたが、やがて「路」のほうの“みち”が死語になり、「道」と「路」は画一的に“どうろ”と呼ばれるようになった。
『マンゴーと丸坊主』
山崎美緒『マンゴーと丸坊主:アフリカ自転車5000km』(幻冬社 2005)を読む。
スワヒリ語を学ぶ大学3年生の女子学生による、ケニアからケープタウンまでの8ヶ国5000キロの自転車旅日記である。
途中バリカンで坊主頭にされたり、高熱を出したり、派手に転んだりのハプニング道中である。女性視点のためか、アフリカの説明や風景、また自転車の性能や走行といった内容ではなく、現地の人々との温かい交流が中心に描かれる。
あまり編集を加えずに、作者の日記内容をそのまま掲載したような内容であるため、地図を広げてみても、どこからどこへどのように移動したのか、全体の旅程がいまいち掴みづらかった。