月別アーカイブ: 2014年1月

2014年度 センター試験【国語】

本日、今年度のセンター試験の国語を解いた。
職場でまとめた分析を掲載したい。

1、評論文
 昨年は往年の評論家小林秀雄の刀の鐔に関する読みにくい文章であった。今年は江戸時代の士族階級の漢文素養に関する文章であり、これまた話の背景が掴みにくい内容であった。設問自体はオーソドックスであったが、全体の表現や構成に関する問題に時間を取られた生徒が多かった。一方、日本史や倫理を選択している生徒は比較的読みやすかったとの感想を漏らしていた。
 「国語」と「社会」はお互いがお互いを土台にしており、不可分な教科である。理系文系・受験科目の有無を問わず、日本史や世界史、政経倫理といった分野の授業を大切にしてもらいたい。

2、小説
 岡本かの子の小説「快走」の全文が掲載されており、本文だけで8ページもある読み応えのある内容であった。これまでのように小説の一部が切り取って出題され、リード文にヒントがあるという形ではなくなり、大きく傾向が変わったのでとまどった生徒も多かった。ただし、戦時下における時代背景が読めれば、話のテーマは掴みやすく、問題も平易であった。
 ジャンルを問わず、幅広い読書体験が問われる出題であった。ライトノベルや漫画で構わないので、どっぷりと物語の世界に慣れ親しんでいこう。

3、古文
 センター試験本試験初の『源氏物語』からの出題であった。教科書や問題集ではほぼ出題されない場面であり、『源氏物語』のあらすじを押さえただけでは話の流れが理解できなかったと思われる。但し、古文単語や文法の基礎知識を試す所謂「問1、問2」は例年通りの傾向であった。「なめし」「らうたし」「きこゆ」「いざ、たまへ」などの「さくらさく」レベルの単語や、助動詞「なり」「す・さす」「き」などの基本文法が分かっていれば20点は取れたはずである。
 古典文法に苦手意識を持っているものは多いと思うが、普段の授業で学んでいる古文単語、助詞、助動詞を含んだ短文を丁寧に訳す練習が、好結果につながるということを声を大にして伝えたい。

4、漢文
 「荘子」の思想「無用の用」を帰納的に説明する文章なのだが、白文の解釈についての出題が3つもあり、例年以上に難解な出題であった。文章全体の内容を理解できた生徒は少数であったと思う。但し、設問は基本的な漢字や漢文基本語順への当てはめといった傾向は変わらず、読みにくいながらも、再読文字「猶」や二重否定「莫不」の句形の暗記ができていれば、2択まで絞り込めることができた。
 センター漢文は暗記科目と割り切り、まずは、句形100、重要漢字100の詰め込みに努めたい。2年生は授業で使っている漢文ノートを大事にしてほしい。

『日本を変えた10大ゲーム機』

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多根清史『日本を変えた10大ゲーム機』(ソフトバンク新書 2008)を読む。
インベーダーゲームに始まり、ファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイ、プレステ、プレステ2、Xbox、DS、Wii、プレステ3の10のゲームについて、その特徴や人気度、販売戦略、ソフトメーカーとの関係などが分かりやすくまとめられている。
ちょうど、先週から妻が『街へいこうよ どうぶつの森』というWiiのゲームソフトを買ってきて、攻略本まで買ってはまっているの姿を見て、DSやゲームキューブとの関連が知りたくて手に取った本である。それにしても対戦もゴールもないゲームを楽しむことができる女性の感覚は不思議である。

『獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦!さらば永遠の友よ』

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下の子ども二人を連れて、イオンシネマで『獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦!さらば永遠の友よ』(2014 東映)を観た。
先日観た『仮面ライダーウィザード』とは違い、明るいトーンの正義のスーパー戦隊と暗いトーンの悪のデーボス軍連合の対決と色分けがはっきりしており、幼稚園児でも分かりやすい内容であった。一つ前のスーパー戦隊の『特命戦隊ゴーバスターズ』や昔の恐竜をモチーフにした『恐竜戦隊ジュウレンジャー』や『爆竜戦隊アバレンジャー』も集合し、話もへったくれもなく、ただひたすら戦闘シーンと変身シーンと必殺ワザが続く。現在テレビ放映している『キョウリュウジャー』のメンバーが、昔の戦隊に対して「先輩!」と呼んでいたのだが、何か微妙な違和感を禁じ得なかった。劇中で、「デーボス軍」の「ラッキューロ」が、悪者連合の間での会話について「微妙に噛み合ない会話」とこぼしていたが、大人の観客に向けたアドリブ的な発言で面白かった。
来月から放映が始まる『烈車戦隊トッキュウジャー』も登場し、4歳の子どもは満足していた。2歳の子どもは途中からぐっすりと夢の中であった。

『秘帖・源氏物語 翁‐OKINA』

夢枕獏『秘帖・源氏物語 翁‐OKINA』(角川文庫 2011)を3分の1ほど読む。
電子書籍の「デジタル野生時代」にて配信された小説に加筆・修正が加えられて文庫化されたものである。
『源氏物語』というタイトルだけで手にしたが、実際は、六条御息所の悪霊の部分だけをモチーフにした『陰陽師』の外伝であった。安倍晴明のライバルとして描かれる蘆屋道満と光源氏がタッグを組み、異国の悪霊と対決するという内容である。夢枕獏氏の『陰陽師』は好きな作品なのだが。『源氏物語』を期待していただけに肩すかしを食らったようで、うまく内容に入っていかなかった。

『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説』

関暁夫『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説:信じるか信じないかはあなた次第』(竹書房 2006)を読む。
ケネディとリンカーンの奇妙な符号や徳川埋蔵金、ノストラダムスとヒトラーなどの定番から、アディダスとワールドカップ、電子レンジUFO説、スピルバーグの正体など、ヤフーニュースにあれば必ずクリックしてしまいそうな都市伝説まで多数収録されている。
その中で、地下鉄の自動券売機のタッチパネルは密かに指紋を照合しているという話が興味深かった。関暁夫氏によると、券売機の中には、あらかじめ指名手配半犯の指紋が登録されており、内蔵されたカメラで人相を撮られ、警察に通報される仕組みが張り巡らされているそうだ。またそうした機能は銀行のATMや一部のガソリンスタンドのパネルにも仕掛けられており、逃走犯を追いつめていく「秘密捜査網」が全国に敷かれているという話である。近年のNシステムや防犯カメラによる捜査の充実ぶりを見るに、一概に信憑性に欠ける嘘だとも言いがたい。