荒岱介『新左翼とは何だったのか』(幻冬舎新書 2007)を読む。
第二次ブント社会主義学生同盟で委員長を務めた著者が、砂川闘争や60年安保、70年代以降の自治会や労働運動、三里塚闘争などの「史実」を掘り起こして、どういった理由でブントや革共同が分裂していったかについて分かりやすく論じている。
読みやすい内容であったが、先日読んだ『新左翼運動』の今後の希望ある展開ではなく、やれ○○派の××がといった「ゴロ話」が多くて少々辟易してしまった。レーニン主義に根ざした共産党と、トロツキズムに思想の根を置く新左翼の違いに始まり、共産党や社会党青年部の分裂から連合赤軍や日本赤軍まで、ほぼ全ての党派について論評が加えられている。また、新しい所では、1999年から2004年にかけての明治大学内における「ゴスペル愛好会」による襲撃事件を巡って、「革労協狭間派と」「革労協赤砦社派」との内内ゲバの様子も述べられている。
現在の自分のような一般の「市民」が読むような内容ではなかった。ただ1966年の早稲田大学における学費・学館闘争での全学ストライキの話は興味深かった。当時の全共闘議長である大口昭彦氏の名前が懐かしかった。