先日テレビで放映された、松山ケンイチ主演『L change the WorLd』(2008)を観た。
『デスノート』の秘密や後日談にまつわる内容なのかと思いきや、ストーリーの破綻したイメージビデオのような内容であった。テレビだったので、カットされた場面も多かったのであろうが、内容を改めて記すまでもない。
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『猛スピードで母は』
第126回芥川賞受賞作、長嶋有『猛スピードで母は』(文藝春秋社 2002)を読む。
表題作の他、第92回文學界新人賞を受賞した『サイドカーに犬』も収められている。
『猛スピード〜』の方は、子どもの目線から一人で生きて行こうとする力強い母の姿を、『サイドカー〜』の方は、父の新しい恋人である女性の堂々とした生き方が描かれている。どちらも正直なところ、内容もさることながら、印象に残る場面やフレーズもなかった。
先日、石原慎太郎氏が芥川賞選考委員を辞任したが、その時の辞任の言葉である「いつか若いやつが出てきて、足をすくわれる戦慄を期待していたが、刺激にならない」という捨て台詞を思い出した。
社会や学校と反りの合わない母子家庭の孤独、そして、その孤独を無にしようとする心の強さが一応描かれるのだが、作品全体の印象は薄いと言わざるを得ない。
『教科書でおぼえた名詩』
文春ネスコ編『教科書でおぼえた名詩』(文春ネスコ 1997)をぱらぱら読む。
長田弘氏の『世界は一冊の本』という詩を読みたくて手に取ってみた。タイトルにある通り、昭和20年代から平成8年までの中学・高校の国語の教科書から、誰でも一度は耳にしたことのあるなつかしの詩歌が百数十編収録されている。
その中で、北原白秋の『頑是ない歌』の一節が印象に残った。心を込めてキーボードで活字を拾ってみたい。大学を卒業して十数年になるが、前へ前へと進み、仕事と家族を持ち、地盤を築いてきた自分自身の境遇を、もう一人の自分が労いと諦めの入り交じった視線で眺めている。感想になっていないが、なんかそんな感じがする。(ちょっと眠いか)
今では女房子供持ち
思へば遠く来たもんだ
此の先まだまだ何時までか
生きてゆくのであらうけど生きてゆくのであらうけど
遠く経て来た日や夜の
あんまりこんなにこひしゆては
なんだか自信が持てないよ。さりとて生きてゆく限り
結局我ン張る僕の性質
と思へばなんだか我ながら
いたはしいよなものですよ考へてみればそれはまあ
結局我ン張るのだとして
昔恋しい時もあり そして
どうにかやつてはゆくのでせう考へてみれば簡単だ
畢竟意志の問題だ
なんとかやるより仕方もない
やりさへすればよいのだと