第141回芥川賞受賞作、磯崎憲一郎『終の住処』(新潮社 2009)を読む。
表題作の他、書き下ろし作品『ペナント』が収録されている。
ここ最近私自身が疲れているせいなのか、それとも作者の描く世界があまりに狭小なのか、真偽は不明であるが、ほとんど物語の世界に入り込むことができないまま読了した。せっかく物語の舞台も登場人物の丁寧に描かれるのだが、話の筋も脈絡なくどんどん内面世界へとずれて行ってしまう。登場人物のストレスや存在の希薄がテーマとなっているであろうが、最後は活字を目で追うだけになってしまった。
『終の住処』
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