吉田修一『春、バーニーズで』(文藝春秋 2004)を読む。
雑誌『文學界』に連載された短編小説が収められている。息子と母親がいる女性と再婚した30代半ばの男の心の機微を描く。小説というよりは、散文詩のような内容で、とりとめもない会話や風景、そして不安定な主人公の心模様が淡々と綴られる。
会社も家庭も大切にしてきた30代半ばの主人公が、ある日突然会社を連絡なしにサボり、思い立って日光まで車を走らせる『パーキングエリア』という作品が妙に心に残った。
『春、バーニーズで』
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