日別アーカイブ: 2010年1月7日

パンフレット研究:青山学院大学

1874年に、ドーラ・E・スクーンメーカー女史によって開校された「女子小学校」などキリスト教の伝導という基盤を持つ学校が合同し、設立された歴史ある学校である。
文学部、経済学部、法学部、経営学部、国際政治経済学部、総合文化政策学部、理工学部、社会情報学部、文学部第二部の9学部に加え、09年より新たに教育学科と心理学科を擁する教育人間科学部が設置されている。

少子化が際立ってきた2000年以降、キャンパス再編や学部再編を毎年のように進めているが、しかし、残念ながらそうした積極的な再編が裏目に出ているのが現状である。小田急線の本厚木駅からバスで30分の山奥のキャンパスを廃止して相模原に移転したが、都心回帰の流れに乗れず苦戦を強いられている。

また、総合文化政策学部、社会情報学部など文理融合タイプの学部を新設してみたものの受験生にアピールできず、特に社会情報学部は受験倍率2倍に留まっている。また、どんどん学部・学科を増やしたために、既存の学科のアイデンティティが薄まっている。2006年に開設された、いかにも青学らしい国際政治経済学部国際コミュニケーション学科も新たに受験生を呼ぶことはできず、他学部の受験生が流れただけで、受験生の減少に歯止めが掛かっていない。
ここ2・3年の古文の入試は受験生を馬鹿にしたような問題で、あと数年で古文が入試から外されるのではないだろうか。

このデフレをチャンスと考えて、借金を覚悟で青山の隣接地を買収し、文系は都心オールインワンキャンパスを実現するくらいの再編を進めない限り、じりじりと後退していくことは免れないであろう。