職場で取り寄せた評判のある美容専門学校4校のパンフレットを見比べてみた。
理容美容専門学校は2年間で2000時間の授業を行うことが決められている。そしてその内の1400時間はどこの学校でも「関係法規、衛生管理、美容保健、美容の物理・化学、美容文化論、美容技術理論、運営管理、実習」の必修科目を学ばなくてはならない。そして残りの600時間は各美容学校が独自に定める科目が充てられる。この600時間をどう使うかで各学校の個性が表れる。
私の主観的な解釈も含めて、それぞれの学校の特徴をまとめてみたい。
国際理容美容専門学校
漢字一字で表すと「躾」or「実」
1955年に設立され、山手線日暮里の駅から近い。
パンフレットにも「躾教育」と謳っているほど人間教育に力を注ぐ。美容科、夜間の美容科Ⅱ部、4つの学校の中では唯一の理容科、エステティシャン養成のビジネス美容科、また高校卒業同等資格と国家試験受験資格の両方が得られる美容高等科、通信課程の5つのコースがある。実習中の白衣や研修でのスーツ姿など、整容面での指導が行き届いている。また美容高等科では普通科目の授業もあり、大学や短大への進学の道も拓かれている。生徒の様子もきちっとしており、普通科高校に興味のない中学生の選択肢の一つになるであろう。
日本美容専門学校
漢字一字で表すと「美」or「芸」
1954年に設立され、山手線高田馬場駅からも近い。
美容師オンリーの学校で、昼間部専門科、夜間部専門科、通信科の3課程編成に加えて専攻科が置かれる。選択必修科目の中に、英語や美学芸術、クリエイティブワークなどの科目が置かれ、また、芸術鑑賞教室や校内コンテスト、卒業イベントなど、美容を一つの芸術と捉えており、美大のようなイメージの学校である。2008年にINFAスクールというエステティシャン養成学校も開学している。
資生堂美容技術専門学校
漢字一字で表すと「社」「業」
埼京線十条駅から徒歩10分の場所にあり、最新の設備と資生堂完全バックアップの学習環境が特徴である。
美容師科の中に、美容師オンリーのヘアスタイリストコースと、メーキャップやネールなども幅広く学ぶビューティースペシャリストコースの2つのコースがある。両方とも美容師国家受験資格が得られる。
また美容部員養成のビューティーコンサルタント科が置かれている。資生堂の全面バックアップがあり、およそ2割の卒業生が資生堂グループの企業に就職している。
住田美容専門学校
漢字一字で表すと「習」or「匠」
1949年設立の東京女子文化学院が母体となっており、渋谷駅から徒歩2分の至便な場所にある。
一学年120名で、少人数教育によって美容技術の習得を目指す。美容師免許専門コースと、美容師免許メイク&ネイルコースと通信課程(夜間サポートコース)の3コースが設置されている。また選択科目も美容やメイクに関することのみであり、職人養成的な側面が強い学校である。
また、美容学校選びのパンフレットも同封されている。資料請求や、学校見学、体験入学から、費用の計算方法など、美容学校だけでなく、専門学校の選び方全ての高校生に通じることが書いてあり、大変良くできている。
「あとがき」の一部を抜き出してみたい。
そして一番重要なことは「この活動を通して少しプロフェッショナルに近づく」ことができるという事です。「プロフェッショナル」というのは「仕事に熱心に打ち込んで、良い結果を出している人」に捧げられる名称です。「美容のプロフェッショナル」を目指すのであれば、その前にまず、「美容学校選びのプロフェッショナル」となれるよう目指してください。「熱心に活動」し、「自分にとってのベストの学校」を探し出して、「希望通り入学する」。「進路選択」において、自分として「満足行く結果が出せた!」という自信は、美容師になるという次へのステップへの大きな力となるので す。
良い結果が出たとき、それまでの活動はきっと「楽しい思い出」、「充実した日々」になると思います。