日別アーカイブ: 2007年9月24日

『高校生のための経済学入門』

小塩隆士『高校生のための経済学入門』(ちくま新書 2002)を読む。
タイトル通り「政治・経済」を勉強する高校生や、経済学部を志望する受験生、また経済をもう一度学びたいと考える社会人に、つまらない経済用語の暗記ではなく、現実の動きに則した使える経済学を分かりやすく解説する。お小遣いの使い方を例にした需要−供給曲線の基礎から始まり、市場メカニズムや政府・日銀の役割、経済成長の仕組みなど丁寧に説明されている。これまで公定歩合が日銀の金融調整の要だと思っていたが、無担保コールレート翌日物が政策金利へと取って代わられていた背景などがよく分かった。新聞の経済欄を読むための基礎知識が得られる良書である。しかし、今の平均的な高校生にはちょっと難しめか。

『おそるおそるFXをやってみた』

中村美佐子『おそるおそるFXをやってみた』(文芸社 2007)をさらっと読む。
耳慣れない言葉だが、FX(外国為替証拠金取引)とは、掛け金の数パーセントほどの少ない金額(証拠金)を担保に多額の為替取引がネット上で可能となる仕組みである。会社によっては10万円で1000万円もの取引が可能となるギャンブル性の強い財テクである。1ドル1円円安に振れるだけで、10万ドルの取引があれば、10万円の儲けが生じる。逆に一時間で10万円の損失が生じる可能性もあるのだ。また、現在の日本円と外国の通貨の金利差を利用して毎日利息がつくスワップという仕組みがあり、10万ドル預ければ、一日につき1500円近くも利息が振り込まれる。
本を読むだけだと、これ以上うまい話はないように聞こえる。確かにハイリターンであるが、ハイリスクな商品であるということを忘れてはならない。