日別アーカイブ: 2005年10月9日

『世紀末国語教育論』

大平浩哉『世紀末国語教育論』(有朋堂 1995)を読む。
国語における表現活動と自己学習力を目玉にした前回の学習指導要領の解説とその成立の背景について分かりやすく語っている。ただ一つしかない正解に向かって教師が一方的に解説を施すだけの授業のあり方を否定し、グループ学習やディベートを含めた音声言語の学習指導の充実こそが旧弊を打開する道だと説く。
著者は私が学生時代に「書写指導」でお世話になった先生の本である。元々高校教諭を経て、文科省の初等中等教育局にいた役人で、専門は国語教育法であるにも関わらず、習字の指導法も教えていた芸達者な人である。教科書一式を風呂敷包みで持ってきて、指を舐めながらプリントを配る昔ながらの国語教師であった。