日別アーカイブ: 2003年8月6日

『情報デザイン入門』

渡辺保史『情報デザイン入門:インターネット時代の表現術』(平凡社新書 2001)を読む。
「情報」というものはこれまで出版物やデジタルコンテンツのような「メディアの中で表現される情報」として,そこにどんな情報をどのように入れ込んでいくかといった点のみが注目されてきた。しかし情報とは,元来人がこの世界の中で他者とコミュニケーションしたり環境やモノと関わったりしているような複雑で多様な経験に依拠するものである。これから求められる情報デザインという新しい学問が狙うところはそうした環境と身体が関わりあう「コト」のデザインである。著者は以上のような情報に対する観点から,マウスやキーボードに代わる新たなインターフェイスの提案や,大学,公民館といった「ノード(結節点)」を中心とした「地域ポータルソリューション」の形成を目指している。