今日はお花見に岩槻公園へ出掛けた。3月のこの時期でもうすでに満開であった。明日辺りから散り始めるのであろう。昨年も早かったが、今年の桜の開花は異常である。しかし桜は散り際がひときわ美しい。余談であるが、日本の国花といえば桜ではなく菊である。なぜならば桜は散ってしまうから永遠に続く天皇制にとって縁起が悪いというのである。
春過ぎて/夏来にけらし/白妙の/衣干すてふ/天の香具山
百人一首の中でも持統天皇が歌ったこの歌が特に好きである。それは私は一年の中で桜が散った後の夏が来るまでのこの季節が一番好きだからである。解釈としては春が過ぎて夏が来たらしい、真白な衣を天の香具山に向かって干すというものである。単純な歌であるが、さわやかな歌である。私も今は花粉症なので、洗濯物を家の中で干している。乾きが遅くて困っている。しかし桜が散るのとほぼ同時に杉花粉の飛散も止むので、これからは洗濯物を気持ち良く干せるようになる。花粉症が席巻している現代こそ、季節感があふれ風情が感じられる歌となっている。