太田光『爆笑問題の日本原論2000』(メディアワークス 1999)を読む。
様々な時事・芸能の事件を茶化しつつも問題点にうまく焦点を当てている。実際の掛け合いよりも活字の方がより深く笑えて面白い。ゴーストライターではなく、太田光氏本人が書いているのだろうか、まとめ方が大変にうまい。
(新ガイドライン関連法案成立について)
太田ー日本は戦争しないだろ、憲法第九条があるんだから。
田中ーだから、それをも無視して参議院で可決されちゃったから、みんな騒いでいるんだろうが! 新ガイドライン
というのは、新しい日米防衛協力指針のことで、日本の周辺で危機が起きたときに、日本がそれにどう関与す
るかってことの取り決めだよ。
太田ーああ、マウスとかスキャナーとかな。
田中ーそれは周辺機器だろ! 俺が言ってんのは「周辺の危機」のことだよ。たとえば、アジア太平洋で武力紛争が
起こって、それにアメリカが参戦した場合、日本はアメリカを後方支援しなきゃならないってことだよ。
太田ー後方支援ぐらいなら、別にしたってそう問題じゃねえだろ。
田中ーところが、この後方支援ってモノの定義が、なかなか難しいんだよ。
太田ー後ろの方でフレー、フレー、ア・メ・リ・カ!って、言ってりゃいいんだろ。
田中ーそれはただの応援だよ!
太田ーガンバレ、ガンバレ、アメリカ! ガンバレ、ガンバレ、アメリカ! オーッ!
田中ーお前、そんなことやってると、世界中から袋叩きにあうぞ。それじゃなくても日本はもともとアメリカにおん
ぶに抱っこで、自分じゃ何にもしないって批判されてるんだから。石原都知事なんか「もっと自主性をもって
軍事活動するべきだ」とか言って、場合によっては憲法を改正してもいいようなこと言ってるみたいだからね。
太田ーまあ、勃起したポコチンで障子破っちゃう男だからな。よっぽど自分の大砲に自信があるんだろう。
田中ーそれは『太陽と季節』に出てきたワンシーンってだけのことだろ!