読書」カテゴリーアーカイブ

『ここで差がつくメモ術・手帳術』

大勝文仁『ここで差がつくメモ術・手帳術:この59の使い方で「仕事力」が10倍つき「自分の時間」が豊かになる!』(こう書房 2005)を読む。
人生の大目的やビジネスのノルマ達成に向かって、細かいスケジュール管理やセルフマネージメントを強いるような「近代合理主義」を突っ走るような手帳術ではなく、ややトーンを落とし、「気分のいいスケジュール」や「私家版『ミシュラン』」「雑学メモ」「自分史の材料」など、少し立ち止まって手帳と対話することを勧めている。

一つ「なるほど」と思ったメモ活用術があった。
それは、お礼や挨拶のメモや手紙を送る際に、「Many Thanks! 先日はどうもありがとうございます」と現在形のメッセージを添えるというものである。「ありがとうございました」と過去形で感謝の言葉を書くよりも、今後の関係が続く雰囲気が出ると述べる。

確かに「昨日はお世話になりました」よりも、ちょっと文法的にはおかしいが「昨日はお世話になります」と現在形で書いた方が、過去との断絶を感じにくく、現在につながる感じがする。

手帳活用本 農密度スケール
7 フランクリン手帳、熊谷式夢手帳「計画する手帳」〜緻密なスケジュール管理
6 「超」整理手帳〜効率的な時間管理
5 今回の手帳本はこのレベル ToDoリストやポストイットを含めた効率的なビジネス手帳
4 市販の能率手帳、高橋手帳など〜一定のフォームのがありながら、活用法は自由
3 システム手帳〜自由な差し替えが可能
2 アバクリ手帳、ロフトやハンズにあるような手帳〜日付と枠だけ入った手帳
1 ほぼ日手帳、トラベラーズノート 活用法自由自在

『中国経済 あやうい本質』

浜矩子『中国経済 あやうい本質』(集英社新書 2012)を読む。
20世紀的な爆発的成長力と、21世紀的なグローバル経済に飲み込まれ翻弄する中国経済の危うさを、為替、貿易、雇用の側面から分析する。数字は全く用いられず、古い詩の引用や分かりやすい具体例、巧みな比喩を用いて、素人でも分かりやすく巨大な中国の本質を描く。

グローバル経済を分かりやすくまとめると、G7を中心とした工業先進国は、内需だけでは回らないので、輸出を増やすため自国通貨安誘導や金融緩和を進める。その結果、低金利の円やドルがその投資先を求め発展途上国に加速度的に流れている。その結果、途上国でインフレが進行し、ニューリッチが生まれる一方で、農村部を中心に格差が進行し、破壊的な貧困が生じてしまっている。途上国政府はインフレを抑えるために金利を引き上げ金融の引き締め政策を実施する。しかし、その金利を狙って余計に先進国の金が流入し、やがてバブルとなり破裂すると、途上国を越えて、世界恐慌を引き起こすというシナリオが待ち受けている。文章まとまらず。

『婚活したらすごかった』

 石神賢介『婚活したらすごかった』(新潮新書 2011)を読む。
 40過ぎの小太りで、著述業ゆえに経済的に不安定、貯蓄もほとんどない、東京郊外の三流私大文系学部卒で、バツイチというフル「低スペック」の著者が、自身の体験を踏まえてネット婚活やお見合いパーティのメリット、デメリット、そして、それらの攻略法を伝授する。また、結婚相談所や海を渡っての婚活事情についても論じられている。

『文化系トークラジオ LIfeのやり方』

鈴木謙介・長谷川裕・Lifeクルー『文化系トークラジオ LIfeのやり方』(TBSサービス 2013)を読む。
久しぶりに最新の新刊本を購入し、その日で読むという経験をした。月1回の深夜に放送される20代、30代の若手の論客によるトーク番組「文化系トークラジオ」
公式本である。
番組でメインパーソナリティを務める鈴木謙介氏とプロデューサーの長谷川裕氏のインタビュー記事と、3回分の放送の一部がテキスト化されている。

プロデューサーの長谷川氏は、「大学のサークルラウンジで、音楽や小説、漫画や社会の話をあれこれ喋るような感じで、学生時代の一番楽し思い出が再現されているような感覚」を大切にし、生放送のため、実際に顔を合わせて「物理的に集まらなければならない制約よって生まれるもの」を届けたいと述べる。

まだケータイがこれほど普及していなかった90年代半ばまでは、学生ラウンジやサークル部室には学生やOBが集まり、社会や将来についてのよまやま話に花が咲いたものだ。授業よりもそうした雑談にこそ学問のヒントがあったように思う。私自身が教室の中よりもキャンパスの内外で学んだことが今の自分を支えている。

長谷川氏自身が聴きたい内容を伝えるというのがコンセプトなのだが、私自身の不勉強を確認する意味でも、当事者感覚を味わいながら番組を聴き続けていきたい。

『スラム化する日本経済』

浜矩子『スラム化する日本経済:4分極化する労働者たち』(講談社+α新書 2009)を読む。地球規模でインフレとデフレが同時に進行している実態や、20世紀のような「資本」対「労働」という枠組み自体が崩れていった背景が分かりやすく述べられている。
内容も然ることながら、文章自体に力があり、淀みない講演を聴いているような感じになった。著者の訴えかける力のある演繹的な文章展開が印象的であった。