浜矩子『中国経済 あやうい本質』(集英社新書 2012)を読む。
20世紀的な爆発的成長力と、21世紀的なグローバル経済に飲み込まれ翻弄する中国経済の危うさを、為替、貿易、雇用の側面から分析する。数字は全く用いられず、古い詩の引用や分かりやすい具体例、巧みな比喩を用いて、素人でも分かりやすく巨大な中国の本質を描く。
グローバル経済を分かりやすくまとめると、G7を中心とした工業先進国は、内需だけでは回らないので、輸出を増やすため自国通貨安誘導や金融緩和を進める。その結果、低金利の円やドルがその投資先を求め発展途上国に加速度的に流れている。その結果、途上国でインフレが進行し、ニューリッチが生まれる一方で、農村部を中心に格差が進行し、破壊的な貧困が生じてしまっている。途上国政府はインフレを抑えるために金利を引き上げ金融の引き締め政策を実施する。しかし、その金利を狙って余計に先進国の金が流入し、やがてバブルとなり破裂すると、途上国を越えて、世界恐慌を引き起こすというシナリオが待ち受けている。文章まとまらず。