日別アーカイブ: 2026年1月25日

全国教研に参加してきました。

日本教職員組合主催の第75次教育研究全国集会が三重県で開催された。1月16日にオンラインで行われた全体集会では、「平和を守り、真実をつらぬく民主教育の確立」のスローガンのもと、「憲法・子どもの権利条約を生かす教育改革を実現するため、ゆたかな学びを保障するカリキュラムづくりをすすめよう!」とのテーマが示された。残念なことに、不登校の子どもの数は、小・中学校では12年連続で増加し35万3,970人、高等学校では広域型通信制高校の拡充により昨年から減少したものの6万7,782人となっている。また、子どもの自殺者数も過去最悪であった2020年以降高止まりが続いている。コロナ禍以降のICT機器の活用や教育のデジタル化が、子ども同士や子どもと教職員の関係性を重視した学びに置き換わるものであってはならない。

記念講演会では、元小学校教諭の福永宅司さんの一人芝居、その後、女装パフォーマーのブルボンヌさんとの対談が行われた。生徒への気遣いが交わされる職員室では、それぞれの教員が自分の得意な分野を活かして工夫しようとする会話が生まれる。しかし、生徒の悪口が飛び交う職員室では、教員もガードを固くしてしまい、教員間の連携も生まれない。風通しの良い職員室が学校の根幹であることを再確認した。

1月25日26日の2日間、教科教育や「平和・人権・環境・共生」など24のテーマに分かれて行われた分科会では、全国・全校種の学校のレポートをもとに、活発な報告と質疑、討議がなされた。

【第20分科会 高等教育・進路保障と労働教育】

共同研究者の金沢大学石川多加子教授より、勤務先の金沢大学と富山大学で4年目を迎えたオンライン連携による共同教員養成課程の紹介があった。25年12月には中教審教員養成部会から、教職課程を現行の59単位以上(高校)を29単位以上まで半減する中間まとめが出されている。同部会で昨年4月、教員免許取得に必要な科目から「憲法」などの科目の削減を提言し物議を醸した戸田市の戸ヶ﨑勤教育長も記憶に新しい。また、新潟県内の高校では、今年度18校で「遠隔授業」がスタートしている。「現代の国語」や「地理総合」「化学基礎」などの必須科目だけでなく、実技科目の「書道Ⅰ」まで含まれている。「GIGAスクール構想」や「個別最適化された学び」といった錦の御旗の下で、教育の手抜き・崩壊が横行しているのではないか? 同時に、教員に求められるスキルも大きく変化(低下!?)しているとの指摘は興味深かった。

離島を多く抱える鹿児島高教組からは、今年度より本格スタートした「遠隔授業」の取り組みが紹介された。一年間にわたって遠隔授業・単位認定するために、受信側の高校で受信環境や機器を調整する支援員と、出欠確認や机間巡視、考査を実施する当該科目の免許を有した協力員を任命する必要がある。支援員は全校で1人でも構わないが、協力員は全ての授業で生徒と同じ教室にいなければならず、また、各授業前に資料の印刷や進め方、生徒情報の打ち合わせで1時間を要し、授業の負担は以前よりも格段に増加しているとの報告であった。また、指導に定評のある教員が双方向で授業を進めているが、生徒の実態に必ずしもマッチせず、受信校の教員の心理的負担も高まっているとのこと。

しかし、こうした課題を一つ一つ解決することが果たして正解なのであろうか。もちろん教員の未配置や不登校・病気療養中という不測の事態であれば、どのような形であれ「学びの保障」を優先することに異論はないであろう。しかし、遠隔授業が通常の時間割の中に組み込まれるようになると、それぞれの教員が創意工夫をして授業を組み立て、一つの教室に多様な生徒を受け入れる学校教育そのものが破壊される諸刃の剣ともなるのではないか。