角川書店編『ビギナーズクラシックス 枕草子』(角川文庫 2001)を教材研究の一環でざーっと読んだ。
枕草子を特徴づける「類聚的章段」、「日記的章段」、「随想的章段」の3つはある程度まとまって収録されているのかと思っていたが、内容も時間軸もバラバラに並んでいることを初めて知った。意図的にバラバラにしたのか、後世の書写段階でページ立てが散逸してしまったのかは良く分からない。しかし、女性同士のおしゃべりを聞いているようで、あまり共感できる内容ではなかった。
「読書」カテゴリーアーカイブ
『タイル』
柳美里『タイル』(文藝春秋社 1997)を読む。
『家族シネマ』で芥川賞を受賞した後の第一作である。
ちょうど突然不能になり妻と離婚した主人公の男と年齢が同じだったので、興味深く読んだ。離婚をし新しいマンションに引っ越した男が、部屋中にタイルを敷き詰め、そのタイルに上で、長年思いを寄せていた作家の女性を殺すという不気味な雰囲気の漂う作品である。性的不能が猟奇的殺人というグロテスクな営みでもってしか代償できない、中年男の悲哀が描かれている。
『デジタルの仕事がしたい』
杉山知之編『デジタルの仕事がしたい』(2005 岩波ジュニア新書)を読む。
編者の杉山氏はデジタル・ハリウッド大学の学長を務める。おそらくは編者の人脈であろうか、メディアアーティストやWebプロデューサー、映像作家などデジタル関連の仕事に携わる11人が、仕事に対する熱意やあるべき姿について語る。
興味深かったのが、11人全員がゼロイチのデジタルな世界に没頭しているにも関わらず、人脈の大切さ、コミュニケーションの重要性を強調している点である。
一昔前に大ヒットしたメールソフト「ポストペット」を開発した八谷和彦氏は次のように語る。
(デジタルの仕事がしたいと考えている高校生に必要な勉強という質問に対して)
うーん。普通の勉強でいいんじゃないかな。例えば、今みんなは自分がやっている勉強に意味を見いだせていますか? 「微分積分なんて生活の中で使わないから必要ない」とか思ってませんか。
確かに生活の中では使いません。でも、もしもあなたが、いつか宇宙飛行士になりたい、とか、自分でロケットを設計したい、とか、メーヴェを作ってみたい、とか思っていたら、それはそのときには必要な知識だったりします。
生活に必要な知識って、実はたいしたことありません。小学生レベルのもので十分です。でも、それは例えば平均台の上を歩いているようなものです。そこから横や斜め前には一歩も踏み出せなくなります。あなたの将来の夢や希望が、そこから大きく飛び出したものであることも十分ありえますよね。そのときになってはじめて勉強を始めるのは、効率的ではないし、きっと時間も取れません。だから、その未来の可能性のためにやっている勉強が、高校の勉強なんです。
……というのを最近思いましたね。
『リーダーは半歩前を歩け』
姜尚中『リーダーは半歩前を歩け:金大中というヒント』(2009 集英社新書)を読む。
ちょうど執筆当時は、麻生自民党政権が終わりを告げた頃である。著者が崇敬する金大中元韓国大統領の言葉を踏まえて、歴代の日本の首相を値踏みしながら、これから求められるリーダー像について、平易な言葉で語られている。
著者は、右肩上がりではないこれからの社会で必要とされるリーダー・パワーについて、次のようにまとめている。
1 先見力:リーダーは誰しもが納得できる理想や信念といった「ビジョン」を示せ
2 目標設定力:具体的に、何を目指すのか。期限や数値を示せ。
3 動員力:
『新聞をどう読むか』
現代新書編集部『新聞をどう読むか』(1986 講談社現代新書)を読む。
おそらくは高校時代あたりに、小論文を書くための新聞の切り抜きをやっていた頃に買ったものであろう。20年前の古本屋のラベルが貼ってあった。
新聞についての簡単な解説を交えて、当時活躍されていた文化人32人がタイトル通り、新聞をどう読み、どう活用しているか自由に語るという内容である。
中沢新一氏や外山滋比彦氏、澤地久枝さん、今村仁司氏、佐野真一氏、西部邁氏など、現在でも活躍されている方々の仕事の秘密というか裏側を見ているような気がして面白かった。
また、社会事件から政治、経済、文化まできちんとした情報収集、編集、校閲を経て世に出てくる新聞記事を読み、活用することの大切さを実感した。
