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『目で見る仏像・菩薩』

田中義恭・星山晋也編著『目で見る仏像・如来』(東京美術 1986)を読む。
菩薩とは、人々を救済することを願い、自らも修行を積んで如来を目指す者、地蔵菩薩をはじめ我々に身近な仏像たちである。神仏の世界の如来に比べ、まだ人間らしく、様々なアクセサリーを身に付け、「会いに行けるアイドル」といった位置付けの仏像である。

菩薩の中でも一番如来に近いのが弥勒菩薩であり、菩薩の完成形である。その他、普賢菩薩や文殊菩薩、虚空蔵菩薩、地蔵菩薩など、多くの種類の菩薩が紹介されている。とげぬき地蔵や子育地蔵などの馴染みのある地蔵から、中には、荒縄でぐるぐる巻きにされた縛られ地蔵や、豆腐を供える豆腐地蔵などの変わり種もある。人それぞれ、仏もそれぞれである。

『秘密』

東野圭吾『秘密』(文藝春秋 1998)を読む。
映画みたいな展開で、一気に読み終えた。新海誠監督のアニメ映画『君の名は』に似たような展開もあり、テンポ良く話が進んでいく。
ちょうど年頃の娘を持つ父親として作品世界に入っていったので、物語だと分かっていても、親近感を禁じ得なかった。

『目で見る仏像・如来』

田中義恭・星山晋也編著『目で見る仏像・如来』(東京美術 1985)を読む。
仏像の一番基本である、真如から来生した者、つまり悟りを得た者という如来像のあらゆる種類が網羅されている。一般的な阿弥陀如来や薬師如来、釈迦如来だけではなく、変わった如来像も紹介されていた。その中で面白かったのが五劫思惟の阿弥陀如来である。計り知れないほどの長い時間(五劫)自らの誓いについて思惟した結果、髪がのびにのびてしまった姿を表した仏像である。ファンキーな阿弥陀如来もいたのだなあ。

『ホンモノの文章力』

樋口裕一『ホンモノの文章力:自分を売り込む技術』(集英社新書 2000)をパラパラと読む。
イエス・ノーを答える小論文の構成の仕方に始まり、目にとまりやすい自己推薦書や志望理由書の書き方、共感されやすい作文・エッセイの表現方法などが、練習問題を交えながら解説されている。

久しぶりの小論文指導のための参考書として読んだのだが、あまり面白いものではなかった。基本の型の則って書くという基本の大切さは理解しているつもりだが、あまりに「型」通りの指導で、途中からつまらなくなった。筆者の提唱する「型」は受け入れられないが、効果的・効率的な文章の「型」を持つことは大事である。

『ビブリア古書堂の事件手帖4』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖 4:栞子さんと二つの顔』(メディアワークス 2013)を一気に読む。
ビブリアシリーズの第4巻である。今回は江戸川乱歩の戦前の作品が取り上げられている。明智小五郎や怪人二十面相などが登場し、私自身が小学校の図書館で本を借りまくっていた、小学校3・4年生頃を思い出した。

栞子さんとアルバイト従業員の大輔くんの微笑ましい初デートの場面もあり、ミステリー要素と恋愛要素の絶妙なブレンドが良い。