角田光代短編集『三面記事小説』(文春文庫 2010)を読む。
実際に起こった殺人事件や、殺害依頼、薬物混入などの猟奇的な事件に着想を得て、サスペンスドラマに仕立てた短編小説である。宇治拾遺物語や今昔物語集の作品を典拠とした芥川の短編小説に近いものがある。
6つの作品が収録されているが、共通して女性の嫉妬や複雑な家族関係がテーマとなっている。女性同士の関係の中で発生しやすい同調圧力が、やがて殺人にまで増長してしまう恐怖を描き出す。
角田光代短編集『三面記事小説』(文春文庫 2010)を読む。
実際に起こった殺人事件や、殺害依頼、薬物混入などの猟奇的な事件に着想を得て、サスペンスドラマに仕立てた短編小説である。宇治拾遺物語や今昔物語集の作品を典拠とした芥川の短編小説に近いものがある。
6つの作品が収録されているが、共通して女性の嫉妬や複雑な家族関係がテーマとなっている。女性同士の関係の中で発生しやすい同調圧力が、やがて殺人にまで増長してしまう恐怖を描き出す。
末廣圭『妖花の館』(双葉文庫 2007)を読む。
「長編サスペンス・エロス」と紹介されているように、エロスのシーンが大半なのだが、一応ミステリー仕立てとなっている。往年の名作「日活ロマンポルノ」をノベライズすれば、このような作品になるのであろう。
「鰓」という漢字を初めて知った。
後藤昭『わたしたちと裁判』(岩波ジュニア新書 1997)をパラパラと読む。
中学生高校生向けに、具体的に刑事訴訟や民事訴訟の手順や、裁判所の紹介、法曹界の仕事など、丁寧に説明されている。
裁判は犯罪絡みだけでなく、国家や企業を相手に権利や地位を確定するための裁判や、契約や特許権などの民事に関する訴訟もある。著者は裁判が個人の生活だけでなく、社会全体の利益を左右する大切なものだと述べる。
「疑わしきは被告人の利益に」という格言で知られる無罪推定の原則は裁判だけでなく、日常生活や仕事でも意識しておきたい。
ここ一ヶ月ほど、検察官の政権与党による恣意的な定年延長が取り沙汰されてる。著者ははっきりと次のように述べる。
検察官には、ほかの公務員に比べると、かなりの独立性があります。これは、検察官が法律の専門職としての判断に従って事件を取り扱うことが期待されているからです。もし検察官がみんな直に法務大臣の指示を受けるとすれば、政権を握っている与党の政治家の犯罪を調べるようなことは難しいでしょう。じっさい、検察官が大物政治家の犯罪を摘発することもあります。
北山公一『日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方』(日本実業出版社 2013)をパラパラと読む。
宣伝文句に「現役外資系マネージャーが教えるコミュニケーションルール」とあるように、グローバル企業で働く上で必要なコミュニケーションの基本的なルールや、組織と人間関係、会議やメールにおける誤解を招かない表現方法などが丁寧に説明されている。
多様なバックグラウンドを持った人たちが働くグローバル企業では、日本的な常識や思惑は通用しないというトーンで語られる。しかし、裏を返せば、グローバル企業での立ち振る舞いは、日本社会だと浮き上がってしまう。「空気が読めない」と評価されてしまう。「日本村」で働く自分には、参考になりこそすれ、真似したくない内容であった。
池田香代子再話『世界がもし100人の村だったら』(マガジンハウス 2001)を読み返す。
本棚を整理したら奥から出てきた。なるほど、言葉や細かい数字では伝わらない世界のリアルをざっくりと伝えるためには、「100人の村だったら…」という言い回しは有効かもしれない。
「こんな○○があった」「このような△△な状況は看過できない」など、数字なき言葉をいくら費やしても状況を煽るだけで、物事は整理できない。ざっくりとした割合や百分率で状況を分析する話し方を身につけていきたい。