『食べて肉体改造』

平石貴久『食べて肉体改造』(講談社 2000)を読む。
柏レイソルのチームドクターを務める著者が、スポーツのための体作りの基本である栄養、そして食事メニューについて分かりやすく解説する。得てしてビタミンやらカルシウムやらの機能的説明に終始しがちであるが、この本では高田延彦や中田英寿やら実際のスポーツ選手の食事メニューとその効果について具体的に例示しているのでついつい頷いてしまう。

私も一年程前著者の別の本を読み、時折アセロラドリンクやらフランスパン、総合ビタミン剤を摂取するようになった。しかし、ストレスのためか、甘いものについつい手が伸びてしまい、糖分の多い缶コーヒーやらスナック菓子をほおばる毎日で、脂質の取り過ぎを反省すること頻りである。今まで糖質と脂質の違いについてあまり意識はなかった。だが、頭を多少とも使う仕事に就いているため、脳を働かせる栄養素である糖質をこれからは積極的に摂りつつ、皮下脂肪の原因ともなる脂質を押さえていく必要がある。さもないと取り返しのつかない事態になりそうだ。

『ヴィレッジ』

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M・ナイト・シャマラン監督映画『ヴィレッジ』(2004 米)を観に行った。
森の怪物に怯えるホラー映画かと期待して観に行ったが、完全な肩透かしを食らうことになった。しかし、映画自体はなかなか深い内容で面白かった。周囲と隔絶された奥深い森の中で、19世紀の古い生活習慣を守りながら犯罪もないアーミッシュのようなユートピアを作ろうとする犯罪被害者の涙ぐましい努力が作品のテーマとなっている。

わずか60人しかいない村の長老たちは、貧富の差のない原始共産社会を目指すのだが、そうしたお金もない社会を維持するためには莫大な費用がかかってしまうといういささか逆説的な命題が提示される。