「対立拍車 中豪」

4月中旬より体調のバランスを崩しておりました。少し心身とも休めたので、世界地理の補足ニュースのアップを再開します。

本日の東京新聞の記事より。
中国とオーストラリアが貿易をめぐって対立が継続しているとの内容である。オーストラリアは鉄鉱石や石炭といったエネルギー資源に恵まれている。
ちなみに統計によると2019年現在、鉄鉱石の埋蔵量は第1位がオーストラリアで230億トン、第2位がブラジルの150億トン、第3位がロシアの140億トン、第4で中国の69億トンとなっており、生産や輸出でもオーストラリアとブラジルが第1位と2位を占める。但し、鉄鉱石の輸入データを見ると、第1位が中国の1069百万トン、第2位が日本で120百万トン、第3位が韓国の75百万トンで、中国の輸入量が世界の7割ほどとなっている。
また、石炭も中国が生産と輸入で世界第1位となっている。世界生産量の55パーセントを占めているが、同じく世界全体の輸入量の2割を中国が占めている。

こうした数字をみると、中国がオーストラリアから輸入を制限されているという状況は極めて重い。3月にバイデン大統領が呼びかけた、「Quad(クアッド)」と呼ばれる「自由で開かれたインド太平洋」構想に関わる日米豪印4カ国の戦略的同盟が、中国包囲網を後押ししている。

この問題は、トランプ大統領時代に引き金が引かれた米中貿易問題が、オーストラリアへ飛び火したとみてよいだろう。そのうち、日中貿易や中印貿易にも影響を及ぼしていくだろう。バイデン大統領の「お節介な(民主党的な)」世界戦略に注目していきたい。