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『十七歳だった!』

原田宗典『十七歳だった!』(集英社文庫,1996)を半分ほど読む。
聞いたことあるようで全く知らない作家の小説である。自身の体験を元にした高校生男子あるあるな青春記となっている。
途中までしか読まなかったが、作者は1959年生まれ、2025年現在66歳である。言葉は悪いが、団塊世代や団塊ジュニア(氷河期)世代のような苦労も知らず、進学も就職も苦労しなかった「しらけ」世代である。小説の世界ではあるが、まだ年平均10%の成長を遂げた高度経済成長の余韻が感じられた頃で、将来に対する不安もなく、今の高校生活を謳歌しようとする世代に特徴的な物語という印象が強く残った。