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『人なつかしき』

瀬戸内晴美『人なつかしき』(筑摩書房,1983)をパラパラと読む。
作者は数年前に他界された瀬戸内寂聴さんである。改めてWikipediaで作者の項を読んでみたが、えらく経歴の多彩な方である。

本書はタイトルにもある通り、作者が出会った文学者や編集者の人物評がまとめられたものである。1980年前後に雑誌に掲載された古いもので、彼女の個人的なやり取りが続き、ほとんど活字を目で追うだけであった。

唯一目を引いたのは、作者が評伝を書いた小説家・岡本かのこの息子の岡本太郎氏とのやりとりであった。岡本かのこの小説を読んだことがあったので、彼女の息子さんが芸術家・岡本太郎氏であったのかと感慨に耽った。