『もてない男』

小谷野敦『もてない男』(ちくま新書 1999)をパラパラと読む。
検索してみたところ、20年前に一度読んだことのある本であった。章立ても「童貞論」「自慰論」「恋愛論」「嫉妬・孤独論」「愛人論」「強姦・誘惑論」「反恋愛論」と目を引くタイトルが並び、ついつい手に取ってしまった。
さらっとまとめると、これまでのフェミニズムが問題にしてきた結婚制度や家族制度などは、モテる男女の立場によるものであると断じる。また、源氏物語や夏目漱石、田山花袋、二葉亭四迷、森鴎外などの文学作品を取り上げ、その中に隠された自慰シーンや強姦の場面など分析を加えている。