本日の東京新聞朝刊に、北マケドニアの記事が掲載されていた。旧ユーゴスラヴィアのスラブ人の国であり、埼玉県(733万人 2022年4月現在)の人口の3分の1の208万人の小さな国である。
1991年に旧ユーゴから独立した際はマケドニアという国名であったのだが、マケドニアは元々ギリシアを意味する言葉なので、ギリシアが猛反発したため、2019年に「北マケドニア」に国名を変更している。
さてEU加盟交渉が始まるとのことだが、すんなりとはいかないであろう。北マケドニアの一人あたりのGNIは約5,720ドル(2020年)である。隣国ブルガリアの一人当たりGNIが9,630ドル(2020年)なので、半分ほどである。
授業の中で扱ったが、高い賃金を求めて、一人当たりのGNIが低い国から高い国へと出稼ぎの労働者が転入する。一方で、安い人件費を求めて、一人当たりのGNIが高い国から低い国へ工場が転出していく。旧東欧諸国よりも格段に安い労働力が確保できるので、もしEUに加盟したらドイツやフランスの工場が進出してくることだろう。国内の産業の空洞化が一層進んでしまうので、交渉反対の声が強くなるであろう。