「サウジ,観光ビザを発給開始」

本日の東京新聞夕刊に,サウジアラビアが観光客を大幅に受け入れるとの記事が掲載されていた。2018年のデータで,日本を訪れた外国人はビジネスも含めて年間で3100万人である。一方,サウジでは2030年に年間1億人の観光客を目指すという。

地理Aの授業で扱いましたが,こうした開放政策の背景には,オイルマネーに依拠する中東諸国の経済政策の変更が影響しています。サウジは数年前までは原油の産出量が世界第1位で,原油価格にも大きな影響力を持っていました。しかし,現在はシェールオイルによって米国が産油国の筆頭となり,世界の原油価格を左右するまでになっています。産油第2位のサウジといえど,原油だけに頼った政治経済政策を行うことができません。

石油や石炭などのエネルギー分野は,地理でも面白いところではありませんが,押さえておくと国際政治や経済が見えやすくなります。受験の有無を問わず,しっかりと学んでください。