日別アーカイブ: 2024年12月23日

『新・いきいき体調トレーニング』

正木健雄『新・いきいき体調トレーニング』(岩波ジュニア新書,2003)をパラパラと読む。
著者は東京大学教育学部体育学科を卒業され、同大学院博士課程(体育学専攻)修了し、日本体育大学の教授を長らく務めた方で、本書も保健体育の授業の副読本のような内容となっている。若者の体力や生活リズム、体を支えるトレーニング方法、日常の姿勢、疲れのとりかた、睡眠前の理想的な過ごし方などが、根拠を示して丁寧に説明されている。

歩くというのは、単に体力向上だけでなく、大脳の活動を活発化させる効能がある。ギリシアの哲学者アリストテレスはぶらぶら歩きながら思索し、哲学を論じあったことから逍遥学派といわれている。実際に歩くスピードを変えながら計算問題を解く実験をしたところ、アリストテレスと同じように、ゆっくりと歩く方が計算のスピードが上がったそうだ。

やはり散歩やポタリングというのは、身体だけでなく、頭の回転にも良い運動なのだ。

「サンタの墓 発見?」

本日の東京新聞朝刊にトルコ南西部でサンタクロースのモデルとなった司教の石棺らしきものが発見されたとの記事が掲載されていた。記事によると石棺は石灰岩で出来ており、地震や津波で運ばれと推定されている。

授業中にも扱ったが、トルコは全域がアルプス=ヒマラヤ造山帯に位置しており、日本と同じく地震大国である。トルコとギリシアの間のエーゲ海は多島海で知られるが、活発な造山活動の結果である。数年ごとに津波を伴う大きな海洋地震がニュースでも報じられている。一昨年2023年の2月にはトルコとシリアの国境付近で大きな活断層地震があり、両国で56,000人の死者が出ている。

また、石棺が石灰岩で出来ているという点から周辺の土地が隆起したことが伺われる。トルコ南部はアフリカプレートとエーゲ海・アナトリアプレートの狭まる境界のど真ん中にあり、日本と同じく、脊梁山脈(アナトリア高原)が形成され、沿岸部の土地が激しく上下したことであろう。