正木健雄『新・いきいき体調トレーニング』(岩波ジュニア新書,2003)をパラパラと読む。
著者は東京大学教育学部体育学科を卒業され、同大学院博士課程(体育学専攻)修了し、日本体育大学の教授を長らく務めた方で、本書も保健体育の授業の副読本のような内容となっている。若者の体力や生活リズム、体を支えるトレーニング方法、日常の姿勢、疲れのとりかた、睡眠前の理想的な過ごし方などが、根拠を示して丁寧に説明されている。
歩くというのは、単に体力向上だけでなく、大脳の活動を活発化させる効能がある。ギリシアの哲学者アリストテレスはぶらぶら歩きながら思索し、哲学を論じあったことから逍遥学派といわれている。実際に歩くスピードを変えながら計算問題を解く実験をしたところ、アリストテレスと同じように、ゆっくりと歩く方が計算のスピードが上がったそうだ。
やはり散歩やポタリングというのは、身体だけでなく、頭の回転にも良い運動なのだ。